2018/10/21

今朝、わが家より望める富士

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富士の山はこの国なり。我が生ひ出でし国にては西おもてにみえし山なり。その山のさま、いと世に見えざるなり。さまことなる山の姿の、紺青に塗りたるやうなるに、雪の消える世もなくつもりたれば、色濃き衣に、白き衵着たらむやうに見えて、山のいただきの少し平らぎたるより、けぶりは立ちのぼる。夕暮は火の燃えたつも見ゆ。(更級日記)


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2018/09/24

径にバッタ、空には名月

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近くの径を歩けるに、いずこよりか緑の葉の、はたと地面に落ちぬ。

目を凝らし見遣れば、こは葉のやうに見えて葉にはあらず、バッタなるぞや。

バッタを間近で見るは、子どもの頃に原っぱなんどで見て以来のことなり。

都会にもかやうに生息するとは、このあたりはいまだ自然の健全に残れる証かと。  
 

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夕刻、いでや東の空に、中秋の名月の、まさに出でんとするところなり。

東京スカイツリーの真上に、乗っかるやうに掛かれるさま、いとをかし。

佳き秋の訪れを感じずにいられるや。

  

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2018/09/14

ハナカイドウも狂ひ咲ける

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長月も半ばとなり、秋づきたる冷気の中、ふと見やれば、ベランダのハナカイドウの、ほつほつと狂ひ咲けるは。

毎年、弥生の末より卯月にかけて、ほの赤き花あまた咲かせたるに、秋に再び咲きたるは初のことなり。

文月には、藤の花の七房ほども狂ひ咲きたりて、あやしと驚けるに、ハナカイドウまで秋に咲けるは、いかにぞや。

この夏の荒荒しき暑さによるものか、はたまたさらなる天変地異の予兆かとも。

ハナカイドウの花言葉は「美人の眠り」とぞ。

眠りを破られて、恥じらふやうに咲ける風情に、こころ騒がずや。

 

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2018/07/22

藤の狂ひ咲ける

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炎々と続く酷暑の中、ベランダに数鉢ある藤に水遣りせむとするに、いでや、こはいかなることぞ。

藤の花の、六房いや七房までも咲き始めたるは。

去年の葉月に花房もなきに一片の花びらの狂ひ咲けるを見て、うちおどろきたるが、このたびは小ぶりなれど、さやけき花房なり。

垂れ下がる姿にあらずして、炎天に向かひて垂直もしは斜め上に伸びたるさま、いとをかし。

この鉢はおととし、数十もの花をつけたるに、この春はなべて葉のみで、つゆほども花をつけず、あへなしとおもひわびたり。

猛暑の中、紫の花房の楚々たる風情見るは、格別のさきはひかな。

されど、夏にかほどに咲きたれば、来年の春はいかならむ。

咲かずじまいなるや、はたまた、いよよあまたの花房の咲き誇れるや。きづかはしきこと、なのめならず。


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2018/07/12

朝がほ

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はかなくて 行きにし方を思ふにも 今もさこそは 朝がほの露

                                 西行 山家集

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2018/05/31

梅雨近し

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なほ生きむ われのいのちの 薄き濃き 強ひてなげかじ あぢさゐのはな   『魚歌』 斎藤史


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2018/04/09

この一瞬の紫こそ

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手も触れで惜しむかひなく 藤の花 底にうつれば浪ぞ折りける
                               躬恒・拾遺集


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2018/03/31

季節は巡りて

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月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり


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2018/01/16

ベランダに梅咲ける

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春されば まづ咲くやどの 梅の花 独り見つつや 春日暮らさむ  (山上憶良)


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2018/01/01

つつしみて2018年の新春を寿ぎ奉る

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あらたまの年立ちぬれば、めでたきこと、なのめならず。

ここにかしこみて、新年を寿ぎ奉る。

大晦日はちらちらと初雪舞へど、けふはさやかに晴れ渡りて、大気の一新されたる心地す。

歳月の過ぎ往くさま、つとに速まりたるは、何故ならむ。

新しき2018年、われらを待ち受くるは、いかなる世界ぞ。

米朝のいくさ始まれば、われらもみな太平洋戦争を上回る惨禍を被ること必定なり。

世の中の平穏安泰にして、ひともわれもみな無病息災に、一日一日をつつがなく過ぐさるることを、願ふのみなり。

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2017/11/19

わが家から望める富士

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今朝、わが家から望める富士は絶景なり。
居ながらにして、勇壮にして美麗なる世界遺産をながむること、これ格別の幸運ならんや。

天地の別れし時ゆ 神さびて 高く貴き駿河なる富士の高嶺を 天の原振り放け見れば 渡る日の影も隠らひ 照る月の光も見えず 白雲もい行きはばかり 時じくぞ雪は降りける 語り継ぎ言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は (万葉集  山部赤人)

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2017/10/04

中秋の名月

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今宵の中秋の名月は、中空にかかれる雲の裏に、かそけき光の気配あり。弱弱しき光のややおきて雲間を照らし、姿見せると思ひきやまた暗くなりつる。

いまかいまかと見るに、雲間いよよ明るくなりて、はつかに名月の端の覗きて、ひときは輝けるさま、心ときめかざるや。

再び隠れ、雲の広がる中、月の端の移ろひ移ろひて姿現しては見えずなり、胸ひしぐ思ひしけるに、いでや雲の切れ目から煌々たる名月の全容が現れたるは、夢かと見紛う圧巻の絵巻模様なり。

隈なく澄みわたりたる夜に見る名月もされど、雲間から現れては隠れ隠れては現れる名月の風情こそ、価千金の趣ならめ。
 
 
 
月みればちぢにものこそ悲しけれ わが身一つの秋にはあらねど

                                 大江千里

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2017/08/12

8月に藤一片の狂ひ咲き

170812aお盆を前に、ベランダの鉢植の藤の枝に、花房もなきに一片の花のみ狂ひ咲ける、こはいかなるぞ。

この藤、去年の春に園芸店より贖ひし大鉢の藤にて、今年は4月から5月にかけてあまたの紫の花房つけたれば、艶やかにして楚々たる風情、云ふもさらなり。

5月の後半まで咲き乱れし後、花落ちぬれば花軸、花柄取り除きて、夏前の剪定ぞ済ませたる。

尋常なればこのまま夏を過ぐし、秋には葉も落ちて、来年4月の開花期まで花を見るべくもあらず。

しかるに、8月に咲ける一片の花、なんぞの兆しや。こは吉なりや凶なりや。

はたまたご先祖さまの御霊かと。


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2017/06/30

今年の折り返し点に

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知らず、生れ死ぬる人、いづかたより來りて、いづかたへか去る。又知らず、かりのやどり、誰が爲に心を惱まし、何によりてか目をよろこばしむる。そのあるじとすみかと、無常をあらそひ去るさま、いはゞ朝顏の露にことならず。或は露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし。 (鴨長明 方丈記)


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2017/05/30

ベランダは初夏の花

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歳去歳来聴不変

莫言秋後遂為空

   歳去り歳来つて聴けども変ぜず

   言ふこと莫かれ秋の後に遂に空と為ることを

       (紀長谷雄 和漢朗詠集巻上 「蝉」より)

 

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