2023/04/14

ベランダの藤

20230414

木の花は、濃きも薄きも紅梅。桜は花びら大きに、葉の色濃きが、枝細くて咲きたる。
藤の花はしなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし。 (枕草子 三十五段)

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2023/03/02

枝垂れ梅

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色香をば思ひもいれず梅の花

つねならぬ世によそへてぞ見る 花山院

 

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2022/12/31

ベランダの蝋梅

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蝋梅の咲きてかそけく年暮るる

 

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2022/04/16

ベランダの藤

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多胡の浦の底さへにほふ藤波をかざして行かむ見ぬ人のため

                                                                 大伴家持

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2021/11/26

パソコンが突然死、全データ消失

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10日ほど前のことなり。パソコンの調子、あやしくなりて頻繁にフリーズしたれば、その都度再起動なむせる。
贖ひてより8年以上経ちたるに、ちかぢかデータのバックアップせねばと思へど、とりあへず数日は様子見むとす。

あなや。翌朝、パソコンの電源入れるも、もはやWindousの立ち上がること能はず。
自己診断や自己修復なんどの画面を頼りに、回復を試みたれど、最終的に表示されるメッセージは「ハードディスクに機械的なトラブルの可能性あり」とぞ。
メーカーのサポートセンターの、長時間待ちてやうやう繋がりたるに、経年の機種なれば修理は困難ならむ、との返答なり。
バックアップの隙もなく、突然死したるパソコンに保存せる膨大なデータぞ、一瞬にして全て消失したる。

失せたるデータは、みなみな取り返し不能の重要なものばかりなり。
インストールしたるさまざまなアプリやソフト。数百枚に及ぶ家族や知人らとの写真の数々。Youtubeからダウンロードしたる無数の動画。
ExcelやWordで作成したる文書や表の数々。この中には余の医療関係のデータや終活関連も多々あり。
さらに年賀状の住所録。メールのアドレス帳。これまで送受信したる幾多のメール。
ネットショップやニュースサイトなど数十のネットサービスのIDやパスワードをメモしておきたる文書。
余のホームページの全データも跡形なく消え去りぬ。

云ふなれば余はデジタル財産の全てを一夜にして失ひて、一文無しにて路上に放り出されたるにおなじ。
これ、カエサルの放ちたる火によりてアレクサンドリアの図書館なむ炎上し、貴重なる数万巻の書物の焼失したるに匹敵せむや。

データの救出サービスもあるやうなれど、復元の難易度によりて数万円から20万円の費用かかるてふ。

ネットもメールも出来ぬ状況から一刻も早く抜け出すには、新たなるパソコンを調達するほかなし、と余は量販店にて、展示品なれど初期化済みてふ安価なる機種を贖いぬ。
されど、こはいかに。初期設定後、まずはネツトへの接続を試みるも正しき設定のはずが幾度繰り返すも繋がらず。プロバイダーのサポートに尋ねたれば、こはハードの故障ならむ、との診断なり。
まだ1日も経たぬうちに故障とは、なんたるぞ。
量販店に持ち込みて調べたところ、ネットワークのシステムの欠落せること判明したれば、店の側から返品を申し出たり。

かくして余は、展示品より数万円高価なる新品のパソコンを贖い直し、ネットに繋がりてゼロからのスタートに就きたるところなり。
何のデータもなきに、まずはブログのIDとパスワードをやうやう再設定し、このブログ綴れる。

教訓1、データのバックアップはパソコンの調子の良き時こそ、こまめに行ふべし。
教訓2、展示品はいくら安かろうとも、けして贖ふべからず。

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2021/06/06

紫陽花

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あじさゐの 藍のつゆけき 花ありぬ ぬばたまの夜 あかねさす昼 

                              (佐藤佐太郎)

 

 

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2021/04/09

往く春、藤の花

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慈恩春色今朝尽 (慈恩の春色今朝尽く)


尽日徘徊倚寺門 (尽日徘徊して寺門に倚る)

惆悵春帰留不得 (惆悵す春の帰るは留め得ざるを)

紫藤花下漸黄昏 (紫藤花下漸く黄昏)

                                                   白居易

 

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2021/02/08

パルスオキシメーター

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近ごろ都に流行るてふ機器、つひに贖へり。

指を挟むのみで、光線によりて血液中の酸素濃度なむ、瞬時に測定す。

96%以上は正常、95%以下は要注意とぞ。

発熱せるもPCR検査受くること容易ならず、検査受けて陽性なれど入院はほぼ不可能なる昨今、唯一身を守る術はこの測定ならむ。

試しにまずは測定したれば、98%と結果ぞ表示されたる。

なかなかに頼りになる機器とこそ覚ゆれ。

 

 

 

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2020/12/26

ベランダに蝋梅咲ける

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まばゆしや 君をし見れば 薄らに 朝日かがよふ

えふれじや 君をしみれば 蠟梅の 花ぞふるへる

冬こそは ここにありけめ

                     (芥川龍之介)

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2020/10/16

無題

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秋の日の

ヰ゛オロンの

ためいきの

身にしみて

ひたぶるに

うら悲し。

 

鐘のおとに

胸ふさぎ

色かへて

涙ぐむ

過ぎし日の

おもひでや。

 

げにわれは

うらぶれて

こゝかしこ

さだめなく

とび散らふ

落葉かな。

 

 エ゛ルレーヌ 落葉(上田敏『海潮音』より )

 

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2020/08/03

あさがほ

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そこと知られぬ吹上の

終夜せはしき声ありて

この明け方に見出でしは

つひに覚めゐしわが夢の

朝顔の花咲けるさま



さあれみ空に真昼過ぎ

人の耳には消えにしを

かのふきあげの魅惑まどはし

己が時逝きて朝顔の

なほ頼みゐる花のゆめ  (伊東静雄)

 

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2020/06/12

60年目の6.15と樺美智子さん

60年安保の時、日本は戦後15年なりけるを、今年ははや戦後75年。遥けくも60年の歳月の流れたる。

されど、我らは決して忘るまじ。6.15と樺美智子さんを。

この日に起きたることと樺さんの死こそ、真の意味での戦後日本の出発点たることを。

 

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写真右は、6.15当日の樺さん。午前中、ゼミに出席せる後、スカートからズボンに履き替へたりて、デモに加はり国会に向かふ。この写真ぞ生前に確認されたる最後の姿となりぬる。「エコノミスト」別冊「安保にゆれた日本の記録」に、婦人雑誌「マドモアゼル」提供とて掲載されたる。

写真左は、国会構内での惨劇の直後、女子学生に左腕を抱えられて横たはる樺さん。この時すでに息絶へたるとぞ。麥書房刊「ゆるせない日からの記録」より。

 

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樺さんの葬儀の模様。アサヒグラフ緊急増刊「安保の嵐・一ヵ月」より。

 

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翌16日付の朝日新聞特別号外。

下はこの号外の裏面の写真特集。

 

2006155a

 

【このブログの、過去なる樺さん関連記事】

 

45年目の6.15、樺美智子さんの2枚の写真(2005年6月15日)

 

とっておき号外に見るあの時(7)-樺美智子さんの死(2006年3月6日)

 

60年安保の6・15から半世紀、樺美智子さん忘るまじ(2010年6月12日)

 

6.15と樺美智子さん 1960年-2014年(2014年6月15日)

 

 

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2020/05/24

ふと思ふリリー・マルレーン

いかなるにや、ふとリリー・マルレーンの旋律、頭に浮かびたりて、繰り返し流れ続けるは。

第二次世界大戦の欧州。ドイツ軍と連合軍の熾烈を極める戦闘のさ中、毎夜9時57分にベオグラード放送から流れる歌に、双方の前線兵士たちが聴き入り、この歌の放送時刻には戦闘を停止して聴き入ることもありけりてふ。

戦時下にラジオから流れたるは、ララ・アンデルセンの歌ひたる。
その後、マレーネ・ディートリヒの持ち歌とて、あまねく知られたる。

 

歌詞を余なりに文語調に意訳すれば、かくの如し。

兵舎の前の街灯が
二人の逢瀬を照らすとき
ほのかな燈火あかりの懐かしさ
あの街灯をもう一度
いとしのリリー・マルレーン

二人の影が重なりて
一つの影に鎔けるとき
たれに見られて困りょうか
あの街灯をもう一度
いとしのリリー・マルレーン

帰営ラッパが鳴り響き
二人の別れの辛きとき
離れずもがな君のそば
あの街灯をもう一度
いとしのリリー・マルレーン

ともしびのみがすべて知る
我が通へぬその場所で
君が毎晩待つことを
あの街灯をもう一度
いとしのリリー・マルレーン

静寂しじまの中に浮かぶ夢
君の唇熱き胸
夜霧が包むうたかたに
あの街灯をもう一度
いとしのリリー・マルレーン

 

 

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2020/05/11

私ハアマビエト申者也

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 肥後国海中江毎夜光物出ル 所之役人行見るに づの如く者現ス 私ハ海中二住 アマビエト申者也 當年より六ヶ年之間 諸国豊作也 併 病流行 早々私を写シ人々二見せ候得と申て 海中へ入けり 右ハ写シ役人より江戸江申来ル写也 
   弘化三年四月中旬

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2020/04/26

行春

200426


三高寮歌「行春哀歌」

(前言葉)
われらがはなやかに美はしかりし青春の饗宴うたげは、
かくもしづかに、またかくもあわただしげに尽きなむとす。
友よ、さらに新しき盃をもとめながら、われらともに
うすれゆく日のかげにこの哀歌を聲ひくゝ誦せむ。

 

  静かに来たれなつかしき 友ようれひの手をとらん
  くもりてひかるまみに 消えゆく若き日はなげく

  われらが影をうかべたる 黄金こがねつき美酒うまざけ
  見よ音もなくしたゝりて にほへるしづくつきむとす

  げにもえわかぬ春愁の もつれてとけぬなやみかな
  君が無言のほゝゑみも 見はてぬ夢のなごりなれ

  かくも静かに去りゆくか ふたつなき日のこのいのち
  歌える暇もひそびそと うするゝかげのさみしさや

  あゝ青春は今かゆく 暮るゝにはやき若き日の
  うたげの庭の花むしろ 足音もなき「時」の舞

  友よわれらがき夢の 去りゆく影を見やりつゝ
  離別わかれの酒を酌みかはし わかれのうたにほゝゑまん

                    

【注】メロディーは与謝野鉄幹の「人を戀ふる歌」(妻をめとらば才たけて‥‥)と同じなり。

 

 

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