「紅の豚」がトンカツになっちゃった!
豚もおだてりゃ木に登るというが、口に絵筆をくわえてカンバスに抽象絵画のようなものを描いている豚の写真が、昨日の夕刊に載っていた。
モスクワの芸術家グループが企画した「アニマル・アート」なのだそうだが、豚もおだてりゃ前衛アーチストというところか。
その豚の話だが、28日のこのブログで、「さくらんぼの実る頃」の歌に関連して、この歌が歌われている宮崎駿監督の映画「紅の豚」について触れた。
このタイトルは「べにのぶた」と誤って読まれることが少なくないが、「くれないのぶた」が正しい。
「紅の豚」とは、第1次大戦と第2次大戦の間の不安の時代、かつてイタリア空軍の英雄だった一人の男が、再び軍に戻ることを拒否して、自分で自分に魔法をかけて豚になってしまった。豚の姿になった男は、「ポルコ・ロッソ」すなわち紅の豚と呼ばれていて‥‥というところから物語が始まる。
見逃されがちだが、ポルコが自ら豚になることを決意したのは、軍に戻ることへの拒否からだったことは、この映画を考える上でとても重要なことだと僕は思う。
さるトンカツのチェーン店の店頭に、「紅豚」というブランドが登場した。鹿児島の黒豚は、ブランドとして定着しているが、紅豚は初めて聞いた。これは「べにぶた」と読み仮名が振ってある。
「豚肉のイメージが変わるこのおいしさ」とあり、沖縄の生産者が紅芋や乳酸菌などを配合した独自の飼料によって生み出した豚で、最近ようやく市場に流通させることが出来たらしい。
紅豚のロースカツ、1枚800円。
新たな戦火が迫る時代に迎合することなく、孤独とダンディズムに生きて僕たちを酔わせてくれたあのポルコ・ロッソが、トンカツになっちまったなんて、なんだか悲しい‥‥。
朝刊1面最初の3文字 朝日‥「原子力」 毎日‥「ゆっく」 読売‥「様々な」 日経‥「日産自」
本日の地球 アメリカ政府が、アルカイダのメンバー拘束などにつながった情報提供者に支払った懸賞金は、60億円に。あらゆる物事はカネ(と軍事力)で解決できると信じて疑わない国。
21世紀の残り日数 35245日
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