1階から10階のうち、3階だけ「がい」と読む不思議
なにげに使っている日本語も、正しい使い方となるとなかなか難しい。
この「なにげに」は本来「なにげなく」が正しいのだが、なにげに使うには「なにげなく」は重くて使いづらい。
文化庁の調査では、「なにげに」を使う人は96年に8.8%だったのに対し、03年には一気に23.5%に増えた。
この調査では、正しい読み方よりも誤用の方が広く使われている漢字についてもまとめている。
それで僕が驚いたのは、「情緒」の正しい読みが「じょうしょ」だったことだ。調査では82%の人が「じょうちょ」と読んでいるが、正しい読みををしている人も15%いる。
アナウンサーでも、「じょうちょ」と発音しているような気がするが、学校ではみな「じょうしょ」と教えているのだろうか。
「固執」も正しくは「こしゅう」だと分かっているけれども、僕は普段の会話では「こしつ」と言っている。
あらためて日本語の難しさに気付かされたのは、「3階」の読み方だ。1階から10階までのうち、「がい」と読むのは3階だけとある。
僕は「さんがい」と言うこともあるが「さんかい」と言うこともある。最近は「さんかい」と読む人がしだいに増えて、調査では36%の人が「さんかい」だ。
なぜ3階だけが「がい」なのか、考えても分からない。「ん」に続くから「がい」と濁るのかとも思ったが、4階は「よんかい」であって、「よんがい」とは言わない。
「さんかい」というと「散会」「山海」「産科医」と聞き間違えるからだろうか。文脈上、あり得ないと思うのだが。
3階だけが「がい」と読む理由を知りたいと思う。
21世紀の残り日数 35217日
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コメント
☆takさん
はじめまして。三階の読みが三界に引きずられているという見方は面白いですね。僕は三蓋からきているのかなと思ったりしていました。広辞苑では、三階(さんがい)は歌舞伎の下級俳優がいる場所のこととあり、このあたりも関係しているのかも知れませんね。
☆秋葉OLさん
独壇場が本当は独擅場だとはこのコメントで初めて知ってビックリしています。壇と擅の字が似ているため、間違ったままで定着してしまったのでしょうか。
「なにげに」は会話の補語のような軽いノリで、使われているような気がします。強い意味を感じさせないため、かえって「なにげなさ」がよく出るというような。。。。
投稿: BANYUU | 2004/08/01 10:38
「なにげに」って、印象として軽薄。
なにげない度合いが増す気がするからですかね。
「独壇場」ってほんとは「独擅場」(どくせんじょう)なんだけど、
通じないから、どくだんじょうと言う。
下手に辞書をひくと、混乱してしまいます。
投稿: 秋葉OL | 2004/08/01 00:50
三階は、「三界 (さんがい)」から引きずられているのかもしれませんね。
「女は三界に家なし」とか「三界は唯心の所現」の「三界」です。
「三回」は案外新しい言葉なのかもしれません。
古くは「三度(さんど、みたび)」だったのでしょう。
四階も、新しい言葉なのでしょうね。
和語の「よつ」から来てるのかなぁ。
「いち、に、さん、し」の流れじゃないですよね。
だから、古くからの言葉で「四~」というのは、
「四季」とか「四苦八苦」とか「四海」とか、
「し」とよみますよね。
階数は、「し」の音を不吉としたのか、
「よん」を採用したんでしょうね。
まぁ、確かな根拠はなくて、私の推論ですが。
投稿: tak | 2004/08/01 00:40