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2004/08/02

海風を遮り、都心を熱地獄にする高層ビル群の罪

僕はサッカーには全くの素人だが、それでもゴール前でのフリーキックはハラハラする。

とりわけ、これを阻もうと人間のカベを作る選手たちが面白い。

いい大人の選手が、ネズミ一匹も通さないほどピッチリと7人も8人も横に並んで、なお隙間を作るまいと「おしくら饅頭」のようにしているさまは、子どものようだ。

これだけ立派なカベを作ったら、ゴールに入れるのは無理に違いないと思うのに、うまい選手はボールに上下方向と左右方向の強烈な回転をつけて蹴り上げ、魔法のようにカーブさせてゴールしてしまうのだから凄い。

僕は、「ゆりかもめ」に乗ってお台場や有明の臨海新都心に行く時、汐留に所狭しと立ち並ぶ超高層ビル群を見て、サッカーゴールの前に作られたカベだと思った。

この強固なコンクリートの壁が阻んでいるのは、何か。
それは、東京湾から吹き込もうとしている海風であり浜風である。

東品川に出来つつある超高層ビル群も、同じように海風・浜風を阻むカベになっている。

ビルぐらいで、都心への風が遮られるはずがないと、ビルのオーナーや設計者は言うだろう。

だが、関東と新潟が別世界のように異なる天候なのは、それほど高くもない越後山脈が間にあるためである。

今日の毎日新聞夕刊の2面で、「それにしてもこの暑さ」という特集を組んでいて、早稲田大学の尾島敏雄教授が、胸のすくようなことを書いている。

「どんなビルを建てようが勝手かもしれないが、だれか風のことを考えたか」。これがその記事の見出しだ。

僕はこの見出しだけで、拍手喝采したいほどだ。

尾島教授は書いている。
「海風が夜も吹けば、隅田川、目黒川、多摩川などに沿って川風になり、周辺は熱帯夜から解放される。少なくとも、それを阻害するような開発のあり方は考え直すべきだ」。

そうだそうだ。自分の金を出して土地を買い、法律にも抵触しないのだから、何を建てようが勝手だろう、という勝ち組の傲慢さが、日本をすっかりダメにしつつある。

いや世界がそもそも、そうなりつつある。グローバリズムとは、金さえ払えばどんなことをしても良く、金のあるものがますます強くますます金持ちになっていくことを、至高の価値とあがめたたえることにほかならない。

汐留や東品川に林立する異様で無様な高層ビル群は、他者をかえりみようとしない世界の縮図である。
  

21世紀の残り日数 35215日

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コメント

BANYUUさん、こんにちは。
風のことはよく分からないのですが、以前夏に東京に行ったときは”大阪よりも涼しい”と感じました。
東京は確かにビルが多いですが、緑も多いように思います。
大阪はビルの周りに緑が全然ないのです。
大阪の建物よりは考えられている気がするのですが。。。

どちらにしろ、東京も大阪も暑い!ってことですね。

投稿: tomo | 2004/08/03 16:18

tomoさん、こんにちは。そういえば大阪の中心部は緑が少ない、というかほとんど見かけませんね。以前、真夏に大阪に行ったことが1回か2回ありますが、ビル周りの暑さがすごかった記憶があります。
梅田あたりの地下鉄の駅も、冷房があまり効いてなくとても暑かったように覚えています。
東京は緑があるにはあるのですが、今年はなんだか異様に暑い感じがします。

投稿: BANYUU | 2004/08/03 16:33

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