ムンクの「叫び」、客の前での白昼の強奪に仰天
ムンクの「叫び」が、オスロのムンク美術館から、白昼堂々と、多数の入場客の目の前で、覆面姿の武装グループによって強奪された、というニュースには仰天した。
美術館の職員や警備員もいたが、拳銃を突きつけられて、なすすべもなかった、という。非常通報態勢などはどうなっていたのだろうか。
この画は、細部が微妙に異なっている別バージョンが、同じオスロ市内の国立美術館に展示されていて、僕は3年前にこちらの「叫び」を観てきた。
ヨーロッパの美術館の多くがそうだが、写真撮影はノーフラッシュという条件で、だれでも自由に撮ることが出来た。
写真は「叫び」と一緒に記念撮影したものだが、ここにはトリミングしたものを掲載した。左端にわずかに写っているのが、僕である。
国立美術館の「叫び」も1994年に盗まれていて、3カ月後に犯人グループは捕まり、作品も戻っている。
今回強奪されたムンク美術館の「叫び」は、時価で66億円から82億円にものぼると見られていて、犯人グループは売るに売れないことから、「身代金」を要求してくる可能性が大きいという。
これだけ有名な絵画なら、売るよりむろ「人質」として利用した方が犯人グループにとっては、得策なのかも知れない。身代金を要求してきた場合に、美術館や警察当局、政府はどういう対応を取るのだろうか。
世界の「叫び」ファンが、街頭カンパを募って、「叫び」救出のための身代金を用意する、なんて展開にならないだろうか。
そうなったら、僕もカンパくらいはしたいものだ。
身代金ではなく、政治的要求だったらどうするのか。ノルウェーはイラクから軍を撤退させているが、ほかのヨーロッパ諸国などのイラクからの撤退を、国名を名指しで要求してきたら‥‥撤退に応じるのか「叫び」を見殺しにするのか。
ブッシュは「テロリストに屈するな」と叫ぶに違いないが、これは難しいところだろう。世紀の「名画テロ」への対応をめぐって、国際的な大論争が起こるのは必至だろう。
21世紀の残り日数 35194日
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