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2004/08/31

すでに6個が上陸、今年はなぜ台風が多い?

台風が上陸しても、もはや驚かなくなってしまった。今年は、それほど台風の上陸が多い。

すでに今朝までに6個の台風が日本に上陸し、これは年間最多上陸記録の6個(90年および93年)に並んでいて、これからが本格的な台風シーズンであることから、上陸個数の新記録となる可能性は大きい、という。

なぜこんなに台風が次々に日本に上陸しているのだろうか。誰もが考えるのは、今年の記録的な猛暑との関連だ。
そしてみなが口元まで出かかっているのが、地球温暖化の影響ではないのか、という懸念だ。

しかし、素人から見ると実に不思議に感ずるのは、台風が多い原因について解説したり分析している新聞記事などを読むと、気象学者や専門家たちは、ほとんどがハンで押したように、「温暖化の影響とはいえない」と言っていることだ。

学者の立場、研究者の立場からは、推測でモノを言うわけにはいかないという事情はあるだろう。

しかし、多くの人々が、これは温暖化が関係しているのでは、とうすうす感じ始めている中で、僕はこうした学者・専門家たちが意識的・意図的に温暖化の影響を否定してかかっているのではないか、という気がしてならない。

ずるいのは、その言い回しだ。彼らは「温暖化の影響ではない」とは決して言わないのだ。

「温暖化の影響とはいえない」という言い方は、そうかも知れないが、そうでないかも知れない、私にはそのどちかであるかを断定するデータを持ち合わせていませんよ、ということを含ませている。

温暖化防止の京都議定書の実行が、アメリカの横やりをきっかけに、雲行きがあやしくなり、日本国内でも産業界は「国際的な競争力の妨げになる」として後ろ向きだ。

学者や研究者たちが、台風頻発の原因が赤道付近の海水温の上昇にあるとしながら、なお地球温暖化との関連について触れるのを慎重に避けているのは、こうした産業界の国際競争力優先の意向と無関係ではあるまい。

なにしろ学者・研究者たちは、去年、広島・厳島神社の国宝の回廊が冠水して朱色の床板の間から海水が噴き出しても、「温暖化の影響とはいえない」と頑張りとおしたのだから。

偉い人たちの言うことよりも、みんなが抱く「おかしい」という実感や不安の方が、実は正しかった、ということはよくあることなのだ。


21世紀の残り日数 35186日

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