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2004/10/14

美術展の順路の右回りと左回り

美術展に行くと、各部屋ごとに順路を示す立て札がある。

今日の朝日の夕刊に、この順路はどのように決められているのかについて、面白い記事が載っていた。

それによると、日本の古美術は左回り(壁に沿って左へと移動しながら鑑賞する)、欧米の作品は右回り(壁に沿って右へ移動していく)なのだそうだ。

理由は、日本の絵巻物や手紙が右から左へと書かれているのに対し、西欧の文字は左から右へと書かれているためだという。

なあるほど。順路というのが、絵画や彫刻の展示であっても、文字の流れと深くかかわっているというのは興味深いことだ。

じゃあ、右から左へ書いていくアラビア語圏の美術展、例えばイスラムの工芸展などは、日本と同じに左回りということになるのだろうか。

僕はこれまで、順路というのは部屋の順番であることは分かるが、部屋の中の回り方についてはあまり意識しなかったような気がする。

次の部屋に入ってそのまま進めば壁に沿って、右回りになっていく場合は、僕も自然に右回りになっていく。

しかし、次の部屋の入り口が真ん中あたりにあって、右に折れるか左に折れるかしなければならない時は、僕のクセとしてたいてい右に折れて、そのまま壁に沿って左に進んでいるように思う。

そして、さらに次の部屋の入り口まで来たところで、さっき入ってきた入り口のところまで戻って、こんどは壁に沿って右に進んでいる。

僕の部屋の回り方はS字型で、部屋の半分を左回り、残り半分を右回りという、ヘンな回り方がすっかり身についてしまっている気がする。

いつもまごつくのは、壁にかけられた絵画の展示とは別に、部屋の真ん中に彫刻が展示されているようなケースだ。

その彫刻を、どの段階でみるべきか。はじめか、おわりか、途中か。うっかりすると、彫刻をみないまま、次の部屋に移ってしまうハメになる。

この朝日の記事でも、順路は美術館の勝手な思惑なので、どこから見てもかまいません、と書いてはあるのだが。

たかが順路、されど順路である。

(追伸:「21世紀の歩き方大研究」の新世紀つれづれ草に、「イラク戦争を支える米の優雅な無知、そのフリをする日本人」をアップロード)

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