温暖化との因果関係をみたがらない研究者たちへ
僕は常々、世界各地でしだいに深刻さの度合いを増してきている異常気象について、「温暖化との因果関係は科学的に明らかではない」といい続けている御用学者やエセ研究者たちは、一刻も早く学問の座から退場すべきだと、このブログでも「表」のサイトでも言い続けてきた。
波状的に襲う暖冬や、春先の異常な暖かさ、記録的な猛暑、相次いで日本を襲う台風、クマの人里への出没。こうした異変に対して、彼ら御用学者たちは必ず、「温暖化との関係ははっきりしていない」とマスコミにコメントし、雑誌にそうした論文を垂れ流す。
これに、科学ジャーナリストと称するひとたちが唱和して、温暖化の影を消そうとやっきになる。
温暖化は直線的に進行するのでなく、ジクザクに進行していくということが、心ある研究者たちによって世界の共通認識になりつつあるというのに、冬が厳しい寒さだったり夏が涼しかったりすると、彼らは「そらみたことか。温暖化じゃないだろう」と、鬼の首を取ったように大喜びするのだ。
おとといの読売の夕刊に、名古屋大学の池内了教授(宇宙物理学)が、「複雑系としての地球」という題で、なかなかいいことを書いている。
「複雑系の特徴は、一つの結果に対して原因は一つでなく複合的であるということにある。部分が共鳴し合って大きな効果を生み出すことがあるからだ。そのため、部分一つ一つをいくら細かく調べても全体を把握しきれないということになってしまう。部分の和は全体に等しくないのである」
そして、池内教授は温暖化について、「科学的に証明されていない、を口実にして何もしないですませようとする」態度を厳しく批判する。
「大事なことは科学的に確定した答えが得られなくても、考えうる原因を列挙し、その悪影響を少なくするように努めることである」という。
そしてこう続ける。「科学的に証明されていない」は「科学的に否定された」ことにはならないから、可能な限り予防措置をとるべきなのだ。
まさしく、こうした見方こそ真の科学者の取るべき態度であり、心ある研究者のあるべき姿勢ではないかと、僕は強い共感を覚える。
御用学者たちやエセ研究者たちは、自分たちが地球を取り返しのつかない破局に追い込むために、手を汚していることを恥じ入るべきである。
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コメント
学問とか研究とかいっても、結局のところ、研究費や人事がからんできて、なかなかお上にたてつくようなことは言えない空気があるのでは、なんて思ってしまいますね。
投稿: BANYUU | 2004/10/29 09:54
言い切ってしまうと研究費が取れなくなってしまうのでしょうか(^^ と,うがった見方をしてしまう私。。。
投稿: かねごん | 2004/10/29 04:24