台風接近の高揚感に、映画「台風クラブ」を思う
最多記録を大きく塗り変える今年9個目、しかも過去10年で最強という台風22号の首都圏直撃。被害を受けた方々には、心からお見舞いを申し上げたい。
こういう時に不謹慎なのは承知であえて言うのだが、台風の接近と通過はなぜこんなに人をワクワクさせ、精神を高揚させるのだろう。
僕は激しい雷に心ときめかせ、部屋を暗くして稲妻と雷鳴を鑑賞するのが好きだが、強烈な台風接近の心躍る期待感も、それに劣らず素晴らしいものがある。
この気持ちの高ぶりは、一体何なのだろうか。
ちょうど20年前のことになるが、相米慎二監督による「台風クラブ」という青春映画があった。
中学3年生という揺れやすい年の生徒たちと、台風接近の非日常的でキラメクような心の高ぶりを、重ね合わせたいい映画だった。
工藤夕貴を一躍有名にした映画だが、工藤夕貴は郊外から東京に出たものの台風で帰れなくなった中学生の役で、中学校を舞台に男女生徒たちが繰り広げるクライマックスには加わっていない。
僕が印象に残っているのは、台風接近を刻々と知らせるニュースを聞きながら、男女生徒たちが家に帰ろうとせず、教師のいない学校でみんなの気持ちがしだいに高ぶっていき、異様なお祭り騒ぎになっていくところだ。
強い雨が降る中を、深夜の校庭に出て、みんなで歌を歌い、男子も女子も踊りながら服を脱ぎ捨て、みんなで素っ裸になって駆け回るシーンは忘れられない。
三浦友和が、生徒たちの心理を全く理解しようとしない、唾棄すべき大人のいやらしさを好演していた。
外の風雨はいつの間にか収まっていて、雲の切れ目から星からのぞいている。
明日は、台風一過の晴天となるのだろうか。
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コメント
葛葉さん、こんにちは。珍しいお名前ですが、もしかして篠田の森のお方でしょうか。
あのような自転車にのっけてもらえる犬は、東京でも少ないと思いますよ。
これからもよろしくお願いします。
投稿: BANYUU | 2004/10/10 21:59
トラックバックさせて頂いたのに、連絡も差し上げず失礼致しました。
トラックバックとコメント、ありがとうございました。
今日始めてお邪魔したものですから、これからゆっくりバックナンバーを楽しませて頂きます。
それにしても次のページのワンちゃんは凄い!
やっぱ、都会のワンコは違うわ・・・などと感心してしまいました。
これからもよろしくお願い致します。
投稿: makiko kuzuha | 2004/10/10 20:35