「地球カレンダー」的に生きること
このところ、現在の人間はどこから来たのかという問題で、注目すべき発見が相次いでいる。
5日前の朝刊各社に載った記事によると、ヒト、チンパンジー、ゴリラの共通祖先である1300万年前の類人猿の化石が、バルセロナで見つかった。
これまで最古の猿人は、700万年前に類人猿から分かれた直後とみられるものが見つかっているが、それにつながる類人猿の化石はほとんど見つかっていない。
一方、今日の読売夕刊によると、20万年前にアフリカで原人から進化した現生人類が、5万年前にすでに北米大陸に住んでいた遺跡が見つかったという。
これまでは、1万3000年前に北米大陸に達したというのが定説で、今回の発見によって、シベリアとアラスカがまだ離れていた時代に、どうやってベーリング海峡を越えたのか、などさまざまな問題の検討を迫られているという。
世界が、アメリカの一国主義的な軍事暴走をとめることが出来ず、失望と憂鬱に包まれている中で、僕たちはあらためて「人類とは何者なのか」を見つめ直す時期にきていると思う。
それとともに、領土や国境という線引きが、人類にとって本当に必要なものなのかどうかについても、根本から考え直さなければならないだろう。
時あたかも、青森県三沢市の市立中学校の先生から、生徒たちに地球上の主なできごとを長い模造紙に書かせて、地球の歴史の長さを実感させる授業をやりたいとして、僕の「表」のサイトにある「地球カレンダー」のデータ(本にもなっている)を使わせてほしい、というメールをさきほどいただき、快諾の返事を出した。
遠く離れた三沢の中学生たちが、どのような思いで模造紙に地球の歴史のデータを書き綴っていくのかを想像すると、明日への希望はこのような地道で創造的な授業の中にあるような気がしてくる。
ほかにも、地球カレンダーのデータを使いたいというメールが、このところ僕のもとに続いている。
中国地方の医療生協の学習会、西日本の電力会社の機関誌、等々。
地球カレンダー的な考え方、地球カレンダー的な発想、そして地球カレンダー的に生きること。
こうしたことが、たとえゆっくりとでも少しずつ広がっていくことで、いま地球を身動き取れなくしている何かが、ちょっとでも変わっていけばいいのに、と願っているのだが。
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