師走というのに、枯れた朝顔につぼみが膨らんで
師走も2日というのに、ベランダの朝顔が赤いつぼみを膨らませているのを見つけた。
先日、11月23日の勤労感謝の日に咲いた朝顔には驚いたが、師走のつぼみには、驚きを通り越して涙が出そうになってくる。
つぼみが膨らんだ朝顔は、茎も蔓もとっくに枯れていて緑の葉は1枚もない。
このところの晴天続きで、鉢の土は乾燥しきって、一滴の水分もない。12月に入ってつぼみをつけるとは思ってなかったので、僕も水をやるのをとっくにやめている。
東京の朝方の最低気温は7度にまで下がっている。
このつぼみは、これから咲くのだろうか。それとも、咲かないかも知れないことを自覚しつつ、膨らんでいるのだろうか。
たとえ茎や葉がが朽ち果てようとも、咲けるのならば咲いていく。咲けなくても構わないから、つぼみだけでも、ありったけの力で膨らませてみる。
種をつけるかどうかは、もはや問題ではない。誰かが見てくれるかどうかも、どうでもいいことなのだ。
最後の力を振り絞って、かすかな命のともしびが静かに息を引き取るまで、自然のままで生きていく。
このつぼみは、夏の間ずっと鉢に水をやりつづけてきた僕への、朝顔からの最後のメッセージのような気がする。
師走のつぼみよ、希望と勇気をありがとう。もし咲けるものなら、どうか咲いておくれ。
僕も咲くことが許されるギリギリの時まで、この朝顔のように咲いてみたいと思う。
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