国民1人600万円の負債、国の財政は事実上破綻
05年度予算の財務省原案が、夕刊各紙の1面トップを飾っている。関連記事もたくさん載っている。
しかし、どの新聞の記事も、非常に分かりにくい書き方をしていて、何が問題なのか、暮らしはどうなるのか、一向に読み取ることが出来ない。
朝日の1面のトップ見出しは「新規国債 4年ぶり減」だが、これがメーン見出しというのは、極めて政治的な意図に基いた誘導のように思う。
この予算原案の特徴は、僕が見たところ、2つある。
一つは、朝日の見出しとは逆に、国債の残高が538兆円に達して、初めてGDP(国内総生産)を上回ることだ。国債と地方債を合わせた残高は774兆円にも達し、対GDP比は151%と先進国の中では突出している。
国民のアタマ数で割ると、赤ん坊から老人まですべての国民が一人600万円ずつの負債を背負っていることになる。返却のアテがあるどころか、累積残高が1000兆円を突破するのは時間の問題だ。
しかも、景気が回復すれば金利が上昇して国債・地方債の利払い増につながり、景気が回復しなければ税収減につながるという、どちらに進むこともままならない立ち往生の状態なのだ。
もう一つの特徴は、来年からケタ外れとなる国民の負担増である。
年収700万円サラリーマン所帯(専業主婦、子ども2人)で、いま決まっているだけでも年間4万9000円の負担増になり、再来年はこれに加えてさらに年間4万9000円の負担が増える。
こうした重大な問題を、なぜ大新聞ははっきりと、分かりやすく、大きな見出しで報じないのだろうか。
羊のようにおとなしく、コイズミ政権にヘラヘラとついていくだけの国民は、すっかりなめられたものである。
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