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2004/12/09

ブッシュ再選の世界で進む数々の危機、漂う無力感

世界の様相がどうもおかしいと感じるのは、気のせいばかりではあるまい。

米国民がブッシュを再選してから1カ月。世界中の期待に反して、ケリーを当選させることが出来なかった民主党支持者の多くが、いまだにショックから立ち直ることが出来ず、一種のうつ状態に陥っているという。

あと4年もブッシュが世界を支配していくならば、人類の破滅は加速度的に早まっていくことは確実だ。世界は、テロと対テロ戦争の泥沼にますます入り込んでいくだろう。

日本政府は、イラクへの自衛隊派遣の1年延長を閣議決定した。反対運動が盛り上がるでもなく、戦争へのさらなる加担がいともやすやすと通っていく。

一方では、横田めぐみさんのものとされた遺骨が別人のものと分かり、北朝鮮に対する強硬論が高まっている。北朝鮮もなんという愚かなことをやってくれたのだろうか。
これでは、北への経済制裁だけでなく、軍事的にも北のミサイルが飛んでくる前に、先にミサイル基地を叩けという先制攻撃論が台頭するのは時間の問題だ。

さまざまなニュースが、世界の危機を断片的に伝えて、赤信号を点滅させている。

世界の労働者28億人の半数にあたる14億人が、扶養家族分も含めて1日2ドル以下の収入しかなく、5億5000万人は極貧水準とされる1日1ドル以下の収入しかない、と国際労働機関(ILO)が発表した。

さらに世界で毎年500万人以上の子どもが餓死している、と国連食糧農業機関(FAO)が発表した。

地球温暖化が誰の目にも危機的な様相を呈しているというのに、日本の60の経済団体が環境税導入に対して、「経済に大きな悪影響を及ぼす」として総決起大会を開いた。

こうした人間の数々の愚行を前にして、僕のような個人に何か出来ることはあるのだろうか。民主主義なるものの欺瞞。自由なるものの暴力。そして言葉の無力さ。

いままで見る機会がなかった「風の谷のナウシカ」を初めてビデオで見た。映画の世界と現実の世界で進行していることが、二重写しになってくる。
明日からマンガの方を読んでみたい。

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