イラクの大量破壊兵器捜索、米がこっそり終了
盗っ人猛々しいというか、姑息というか、厚顔破廉恥というか、まあ形容詞はどうでもいいのだが、年明けから開いた口がふさがらない。
イラクの大量破壊兵器(WMD)捜索にあたっていたアメリカの調査団が、去年12月に対外的な説明なしで捜索を打ち切り、クリスマス休暇前にこっそりと帰国していた、と今日の夕刊各紙が報じている。
この調査団は去年10月に、イラクには生物・化学兵器の備蓄はなく、核兵器開発計画も頓挫していた、という最終報告書を議会に提出した。
最終報告書を提出した後も、ブッシュ大統領は「フセイン政権には開発する能力があった」として、イラク戦争開戦の正当性を主張し、調査団はそれを証明するための調査活動をイラクで続けていた。
これによって、イラク戦争開戦の正当性が全くなかったことが決定的となったわけだが、アメリカはこの戦争の責任をどうとるつもりか。
イラク人10万人以上を殺し、さらに膨大な数のイラク人を負傷させ、家々を破壊し、国土を蹂躙し、イラクという国を踏みにじり、世界をぶち壊したブッシュと米指導層の戦争責任は、必ずや問われるべきである。
ことここにいたっても、アメリカが超大国として世界に君臨しようとすることを阻止出来ずに、それどころかブッシュの二期目の就任を認めてしまう世界なら、前途にはもはや絶望しか横たわっていない。
アメリカの戦争責任が問われずに、あと4年間もブッシュが世界の指導者然として、独善と傲慢の限りを尽くして地球を破綻に追い込んでせせら笑うことを許す世界なら、世界が存在することがもはや許しがたいという気がする。
小泉首相の無責任なアメリカ追随ぶりは、どう釈明するのか。開戦の時にコイズミさんは、「大量破壊兵器は必ず見つかる」とテレビカメラや記者団に、自信満々で言い切っていたあの表情を、僕たちは忘れていない。
僕は、理不尽に拘束されて口の中を調べられる屈辱的な映像を世界中に流されたサダム・フセインの無念を察する。
サダムは民主主義とは相容れない独裁者であることは確かだが、ブッシュやブレア、コイズミらの戦争犯罪の度合に比べたら、まだ罪は軽い。
今回の米調査団の打ち切り・帰国について、サダム・フセインはどう語るか、その肉声と映像をぜひ全世界に放映してほしてものだ。
ついでながら、オサマ・ビン・ラディンのコメントも聞きたい。アル・ジャジーラあたりにテープかDVDが届くといいが。
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