30日のイラク国民議会選挙は内戦の危険
いよいよ2005年が本格的に動き出した感じがする。
当面の最大の波乱要因は、30日に予定されているイラク国民議会選挙だろう。
イスラム教スンニ派勢力が不参加・ボイコットを決めている中で、選挙は予定通り行われるのだろうか。
イラク国内では、この選挙の正当性を粉砕するテロなどがますます激化して、手がつけられない状況になっている。
選挙に向けて国際監視団を派遣する予定だった国連は、「武装勢力のテロ多発で、第三者による監視はほぼ不可能だ」として、監視団は派遣されない見通しだという。
治安の悪化でイラク人監視員の安全確保も難しくなり、監視員がいないまま選挙に突入する地域が広がる懸念が出ている。
このまま選挙を強行した場合に、選挙の正当性をめぐって、イラク国内が本格的な内戦となることは、誰の目にも予想される。
2期目のブッシュはなんとしてでも選挙を行って、イラク戦争によって民主主義が実現したことを世界にアピールしたいところだが、これは極めて危険なカケといえる。
選挙の失敗が、世界の不安定をいっそう加速させ、イラクが第二のベトナムと化する恐れは現実のものとなりつつある。
穏健派といわれたパウエル去り、ブッシュの分身といわれる強硬派のライスでは、米軍がイラクから引き上げる時期を見誤って、とんでもないことになるかも知れない。
オランダ軍が3月でサマワから撤退した後、内戦と反米で泥沼の戦争状態となる中、日本の自衛隊は撤収の時期を逸してしまう恐れもある。
日本はアメリカと一蓮托生、星条旗とともに玉砕するつもりなのだろうか。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の新世紀つれづれ草に、『時間の岸辺から』第70回「52分授業」をアップロード。これは欧州の邦人向け日本語新聞「英国ニュースダイジェスト」に同時掲載)
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