一太郎は松下電器の特許を侵害、と判決
ワープロソフトの「一太郎」 が、松下電器産業の特許権を侵害しているとして、ジャストシステムに対して製造、販売の差し止めと製品の廃棄を命じる判決を東京地裁が出した、というニュースにはびっくりした。
一太郎の日本語変換システム「ATOK」はジャストシステムが開発したものだ。それでどこが特許権侵害かというと、「ヘルプモード」のボタンを押してから別のボタンを押すと、そのボタンの機能説明が表示される仕組みが、松下電器産業の特許なのだそうだ。
1800万本を売っている人気ソフトだけに影響は大きく、ジャストシステムは間違いなく控訴するだろうし、控訴すれば判決は確定しない。
基幹部分ではなく、「ヘルプモード」のボタン操作の部分で製造、販売差し止めと廃棄とは、なかなか厳しいものだ。
ほとんどのソフトやプログラムは、多かれ少なかれ、先駆者たちが開発した便利な仕組みを取り入れているものだが、あまりに特許権でがんじがらめに縛るのもどうかなと思う。
結局、特許という制度があるからには、他社による特許封じのために特許を取っておかざるを得ない、という事情もある。
たとえばの話、ほとんどのソフトが使っている切り取り、コピー、貼り付けなどのおなじみの操作も、どこかの企業の特許なのだろうか。
これだけさまざまなIT機器や関連ソフトが広がってくると、どこまでが特許でどこまでが普遍的な操作なのか、判然としなくなっている面がありはしないか。
そもそも、ブログというのは、どこかの企業の特許なのだろうか。さまざまなブログサービス会社は、その企業に特許使用料を払っているのだろうか。
それ以前に、パソコンそのものは、どこかの企業の特許なのかどうか知りたい。あるいは光ファイバーはどうだろうか。知られていないだけで、これもすべて特許が確立しているのだろうか。
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コメント
じょにぃさん、松下電器の特許がそもそも有効なのかという問題もありますが、松下というブランドのイメージ低下は大きいですね。一太郎ユーザーをはじめ多くの人々を敵に回して知的財産戦略強化もあったものでない、と思います。
投稿: BANYUU | 2005/02/02 17:23
TBありが㌧です^^
松下の製品が好きなのですが、法務関係の
こういったやりとりはなんというか私の記事にも
ありますが、いやがらせというか
「腹いせ」のようなものを感じます;;
ソーテックは知らないで搭載したのかもしれないですけど・・
ライセンス契約を跳ね除けられたから訴えるってのもなんとなく( ゚,_ゝ゚)バカジャネーノ
もともと認めてないことに関してライセンスなんか結ぶわけがないのに・・
松下の法務の人のコメントが聞きたいものです。
投稿: じょにぃ | 2005/02/02 17:01
あやひろさん、ほんとに松下電器らしくないですよね。IT時代に合わなくなっていることを自ら世間にさらしている感じがします。
つきっつさん、東京地裁の判断そのものがワープロ時代の感覚を引きずっていて、ハードとソフトを混同しているような印象を受けますね。
投稿: BANYUU | 2005/02/01 23:39
トラックバックをありがとうございました。
僕は「装置」というのを読んで「ワープロ専用機時代の特許だな。”ヘルプモード”ボタンというキーがあって...」と早とちりしていたのですが、おかげで間違いに気付きました(少し書き直しました)。
多くの方が「なんじゃこりゃ」と思っているのを知って心強いです。
あ、TB打たせていただきました。酔っぱらいの寝言みたいなこと書いてますが。
投稿: つきっつ | 2005/02/01 21:31
TBありがとうございます。
松下は自分達の歴史を考えてほしいですね。
投稿: あやひろ | 2005/02/01 20:16
haswayさん、これは最高裁までいくかも知れませんね。どちらにしても、ソフトウェアの行方を大きく左右しそうですね。
kj-patさん、ヘルプモードのボタン操作は、どのソフトもほとんど似たような仕組みなので、波紋は大きいですね。
投稿: BANYUU | 2005/02/01 19:40
トラックバックありがとうございます。特許出願は日本だけで年間40万件と膨大な数になります。たいていのものは出願されているといっていい。
ヘルプモードのボタン操作の仕組みが特許権侵害ということになれば、同じようなボタン操作を利用している他のソフトも権利侵害ということになります。そうなると、この判決の行方は、一太郎や花子だけでなく、更に多くのソフトに関係するような規模の大きい問題になる可能性を秘めていることになりますね。
投稿: kj-pat | 2005/02/01 19:29
TBありがとうございます。
TB返しさせて頂きます。
一太郎破棄問題、衝撃でした。
ジャストシステムは控訴するみたいですが、一体結末はどうなるのでしょうか?
投稿: hasway | 2005/02/01 19:27