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2005/02/16

京都議定書をせせら笑うアメリカがめざすのは

今日のブログは表の「つれづれ草」と連動して書く。

南太平洋に浮かぶ小さな国ツバルではこのところ、満潮時に海岸線を越えた波によって周辺が冠水する事態がひんぱんに発生している。まさに国が海に沈みつつあるのだ。

インド洋の島国モルディブも、ほとんどの地域が海抜1メートルで、海面上昇による国土水没の危機がひしひしと迫ってきている。

「米国は、自分たちが世界の安全を守っているというが、実際は逆だ」というモルディブの人の訴えが、今日の夕刊に載っている。

温暖化防止の京都議定書が今日16日、ようやく発効のはこびとなったが、温室効果ガスの最大の排出国であるアメリカは、断固として議定書を拒み続けている。

アメリカ上院は、「経済に影響を及ぼすいかなる温暖化対策も拒否する」という決議案を、95対ゼロで可決しており、この傲慢な姿勢には共和党も民主党もないのだ。

しかしながら、米国防総省は英オブザーバー紙にすっぱ抜かれた内部報告書で、こんな予測もしている。

「近い将来、異常気象の頻発によって食糧・水資源の争奪戦が起き、難民が大量発生する恐れがある。これは米国の安全保障にとって脅威だ」

食糧や水が欠乏して苦しむ人々のことを思いやるのでなく、米国の安全保障にとって脅威だ、と言い切るあたりがアメリカの恐ろしいところである。

アメリカはひょっとして、温暖化の進行で食糧や水が地球の人々にいきわたらなくなった時、アメリカ一国だけはどんなことをしてでも生き延びる決意を固めているのではないだろうか。

やたらに規制や束縛をかけたがる国々なんぞ、もうどうにでもなって、飢え死にしようが反米暴動が起ころうが、アメリカにとっては知ったことではない。

アメリカが最後に生き残ること、それだけが重要であり、むしろアメリカとしてはそのほうが、せいせいすると思っているに違いない。

(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の新世紀つれづれ草に、「温暖化によるシロクマとイヌイットの危機は、明日の人類の姿」をアップロード)

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