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2005/02/07

市場競争の徹底で、2050年まで人類は持たない

今日の日経と毎日の夕刊に、とても重要な記事が2つ掲載されている。

まず日経夕刊。国連による世界初の地球規模の生態系評価報告書案がまとまった、という記事。

評価は「ミレニアム生態系アセスメント」と呼ばれ、95カ国、1300人以上の科学者が4年がかりでまとめた。

それによると人間の活動によって、生物種の絶滅は自然におこる絶滅に比べて1000倍の速度で進んでいる。

1950年からの40年で、森林や草地の14%が喪失し、過去20年で沿岸のマングローブ林の35%が破壊された。

報告書案では、この傾向が続けば2050年までに、残された森林や草地の20%が破壊され、「この結果、人間の生活自体が立ち行かなくなる」と警告している。

もう一つは、毎日夕刊に載った「なぜ環境破壊は食い止められないか」という佐伯啓思氏の記事。

それによると環境問題が高まった70年代に比べ、この30年の環境意識の低下は著しい。

原因は、市場競争原理の徹底と世界化にあり、発展途上国も旧社会主義国も含めて、市場は個人の利益と欲望を自由に実現する舞台とみなされるようになった。

社会主義の崩壊によって、個人の自由という理念が勝利したと受け止められていることも大きく影響している。

これらの結果、個人の自由に制約をかける「公共性」は著しく弱体化し、第一級の公共性をもった環境問題に対して、解決する糸口さえ見つけられない結果になっている、というのだ。

日経と毎日、この2つの記事を合わせて読むと、いまの世界の指導層はだれもが市場競争に血道をあげ、生き馬の目を抜く利潤追求以外には何も考えられなくなっているということだ。

世界を支配する最高の規範は利潤追求であり、能力主義と効率主義がすべての評価の指標となる。人々はさらなる利便性を求めて、ひたすら快適な生活に没入していく。

国家も企業も個人も、勝ち組でなければ負け組みになるしかなく、しかも一握りの勝者群と多数の敗者群の間の格差は広がっていて、地球環境だの生態系だのと言っていたら、たちまち落ちこぼれて掃き捨てられてしまうのである。

もはや2050年まで人間社会が生存し続けることは難しく、それ以前に危機的なパニックを迎えることになるのではないか。

破局が目に見えるほどに迫ってきた時には、あわててどんな対策を講じようとも手遅れである。

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コメント

BANYUUさま
いつもコメントを有り難う存じます。
拙ブログの改称でリンクの名も変えていただき、有り難うございましたm(_ _)m

2050年になれば、とっくに私は死んでいる(いたい!)はずですが、二人のお子たち(笑)はまだ生きている(はず)。息子は植物、娘は動物関係ですが、彼らはこういう記事をどう読んだだろう、環境問題のことをどう考えているだろうと、今度会ったら聞いてみようと・・・。
ベタな文科系&新聞読まないアホなので、こちらを拝読して、そんなことを思いました。

投稿: Ahaha | 2005/02/08 14:01

Ahahaさん、こんにちは。
僕も2050年には間違いなく死んでいます。生きていて、人類の滅亡を目の当たりにしたいのですが、どうころんでも無理です。
いまの世代が地球環境に目をつぶって快適な生活を追い求めるあまり、孫子の世代に多大な負担をおわせてしまうのが心残りです。なんて遺言っぽくなってしまいましたが‥

投稿: BANYUU | 2005/02/08 15:12

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