小泉首相が「鬼の霍乱」とは、「撹乱」かと一瞬思った
風邪をひいて公式日程をキャンセルした小泉首相のことを、細田官房長官が「鬼の霍乱」と評した。
僕は「鬼のカクラン」という言い方は聞いたことはあるにしても、どんな字を書くのかも意味も知らなかった。
カクランとは「撹乱」かと思ったりして、郵政民営化をめぐって自民党を撹乱させる、というようなことをイメージしていた。
正しくは「霍乱」で、日射病や暑気あたりのことだそうで、さっそくコイズミさんは「冬に霍乱はないよ」と語ったという。
「鬼の霍乱」の意味は、ふだん丈夫な者が思いがけなく病気すること、なので季節はどうでもいいらしい。
鬼という言い方は、いろいろな意味に使われているが、コイズミさんは改革の鬼であることを、とっくに断念したかに見える。
オニとは陰(=姿が見えない)からきた言葉なので、国民の目にだんだんと姿が見えなくなってきているコイズミさんには、ふさわしいかも知れない。
鬼が出てくる諺は多い。
鬼に金棒。鬼に衣。鬼の目に涙。鬼も十八番茶も出花。鬼の空念仏。鬼が笑う。鬼の首を取ったよう。鬼が出るか蛇が出るか。
「鬼の居ぬ間に洗濯」というのは、なぜ洗濯なのだろうかと前から不思議に思っていたが、「心の洗濯」の意味だそうで、それなら分かる。
傑作な諺は、「鬼を酢にして食う」で、恐ろしいものを何とも思わないことの意味だ。
酢の物にされた鬼は、たまったものではあるまい。三杯酢だろうか。鬼はどんな味がするのだろう。不味そうだな。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の新世紀つれづれ草に、『時間の岸辺から』第71回「青い大発明」をアップロード。これは欧州の邦人向け日本語新聞「英国ニュースダイジェスト」に同時掲載)
| 固定リンク
コメント