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2005/03/12

風雲急を告げる黒雲とともに寒冷前線が通過

寒冷前線が通過する時の空の様子を見ていると、わくわくする。

今日の東京地方は昼前まで、生暖かく湿った南風が吹いていたが、昼過ぎになって西から真っ黒な雲が横に広がって、ひたひたと迫ってきた。

東京でこれだけくっきりとした寒冷前線の雲が通る光景は、なかなか見られない。

風雲急を告げる、という言葉がぴったりの、おどろおどろしい空で、よく見ると黒い雲が逆巻くように、あるいは沸き立つように、絶えず姿を変えながら頭上に広がっていく。

カラスやハトだろうか。大小さまざまな鳥たちが、慌てふためいて、あっちへ飛んだりこっちへ飛んだりして、気象の急変をキャッチしている。

黒い雲が空を覆いつくしてやがて去っていくと、南風が強い北風に変わり、しだいに強風となっていく。温度も急激に下がって、空気がすっかり入れ替わる。

この前線の通過で、春めいていた天気は一変して冬に逆戻りだ。

寒冷前線の雲で凄かったのは、昔、宮城県の松島から仙台に戻る途中で見た雲が忘れられない。その逆巻く様子は、パニック映画のような迫力で、雲の下の部分は手を伸ばせば届きそうなほど、地面スレスレという感じで通過していった。

また、青森で見た寒冷前線の雲も、晴れていた青空に向かって、海側から分厚い黒雲軍団の襲撃のような形で近づいてきて、雲が沸騰するように激しく回転している様が、くっきりと伺えた。

今日の東京を通過した寒冷前線も、大都市上空に迫ってくる様子が、巨大な生き物のように生々しく、なかなか立派な寒冷前線の雲だった。

僕は雷を鑑賞するのも大好きだが、寒冷前線の雲もそれに劣らぬ迫力と味わいがある。台風の接近もワクワクするのだが、これは大きな被害が出るので、あまり大きな声では言えない。

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