仁義なきコンビニ戦争の夢の跡
僕の家の前を通っている道路は、都内有数のコンビニ激戦区である。
数百メートルの間に、ローソン、サンクス、セブンイレブンが各2店ずつ。ファミリーマートは4店もあった。ほかに100円ショップと99円ショップ、さらに小さな食品スーパーや総合生鮮市場もある。
ファミマとサンクスの戦いは、食うか食われるかの壮絶な仁義なき戦いだった。
2、3年前、駅の東側にあったファミマから20メートルほど駅に近い場所に、サンクスが挑むかのようにオープンした。
その仕返しと言わんばかりに、こんどは駅の西側にあったサンクスから20メートルほど駅に近い場所に、ファマミがオープンした。
サンクスとファミマのデスマッチは、利用客にしてみれば大歓迎であった。品揃えがよくて安ければ、どちらで買おうが構わないのである。
このコンビニ大戦争のあおりを食らって、昔から地元にあった小さな食品店はバタバタと閉鎖に追い込まれていった。
しかし、いくらなんでも、これだけのコンビニは過密状態であり、過当競争であるのは誰の目にもはっきりしていた。
破綻は、最も店舗の多かったファミマから生じた。駅の東側のファミマが閉鎖になったのに続いて、西側のファミマも先ごろ閉鎖となった。
閉鎖した後は、どんな店になるのか明らかでないが、絢爛たる威勢を誇っていた店舗は、ガラス戸の内側をダンボールで覆っていて、廃墟のような無残さをさらしている(写真)。
こんな姿をさらさないでシャッターを下ろせばいいのに、と思うが、24時間営業で年中無休のコンビニには、そもそもシャッターというものがないのかも知れない。
シャッターなき不夜城の、夢の跡である。
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