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2005/03/10

ゲルニカ、重慶から東京大空襲へ、無差別爆撃の系譜

今日のブログは、表の「つれづれ草」と連動して書く。

東京大空襲60年でさまざまな新聞が特集を組んでいるが、昨日の毎日新聞朝刊が3ページに渡って組んだ「あの日を今に問う」が傑出している。

これを読んで僕は自分の無知を恥じ入るところが多々あったのだが、その一つが、市街地を狙った戦略爆撃の先例は、1938年から43年まで続いた日本軍による重慶大爆撃にあることを、知らなかったことだ。

重慶爆撃については学校で習った記憶もなく、かろうじて一昨年、サッカー・アジア杯が開催された重慶で、日本人サポーターに物が投げられるなど反日感情が噴出したことで、かつて日本がそのようなことをやったのだと初めて知った。

中国側の記録では、218回の爆撃によって、1万1885人が死亡した。

さらに、僕はピカソの「ゲルニカ」をマドリードの美術館で見ているのに、これがナチス・ドイツが行った人類史上初の無差別都市攻撃だったとは、毎日新聞の特集記事で初めて知った。

非戦闘員の一般市民に対する空からの無差別爆撃は、ゲルニカに始まって重慶で本格化し、東京大空襲を初めとする日本全土の都市への空襲に発展していく。

ヨーロッパではナチス・ドイツによる1940年のロンドン空襲、1945年イギリス軍とそれに続くアメリカ軍によるドレスデン大空襲へと、戦略爆撃は歯止めなくエスカレートしていった。

非戦闘員の一般市民に対する無差別爆撃は、戦時国際法に照らしても違法なのではないか、と僕は「表」のつれづれ草で書いたが、当事国は違法と知りつつも戦争の早期終結という大義名分によって、止めることが出来ないのだ。

ちなみに、「文民を攻撃の対象としてはならない」「無差別攻撃を禁止する」「攻撃は厳格に軍事目標に限定する」というジュネーブ条約第1追加議定書(1978年発効)に、日本が162番目の締約国として加盟したのは、なんと昨年のこと。

アメリカにいたってはいまだに締約国ですらないというから、驚くとともにあきれて開いた口がふさがらない。

(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の新世紀つれづれ草に、「東京大空襲から60年、都市への無差別爆撃の責任は」をアップロード)

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コメント

うぃろ~さんところのTBから辿ってきました。
僭越ながら、うちからもTB送らせていただきました。

投稿: よ。 | 2005/03/11 16:29

はじめまして、岡枝と申します。同じく東京大空襲について少しばかり自ログに書いてみました。その後、他にもこの史実について触れられている方を探し求めてこちらに辿り着きました。

‘アメリカにいたってはいまだに締約国ですらないというから、驚くとともにあきれて開いた口がふさがらない。’

↑知りませんでした。びっくりです。大変勉強になりましたログを有難うございます。

私の方のログからも後ほど、リンク&TBさせて頂きます。今後も宜しくお願いいたします。

投稿: 岡枝佳葉 | 2005/03/11 16:55

「よ。」さん。岡枝さん。はじめまして。
コメントとTBをありがとうございました。こちらからもTBさせていただきました。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: BANYUU | 2005/03/11 19:09

これって、「重慶でやったからやられても仕方ない」といいたいのですか?
その毎日の記事が偏ったものである、という可能性は考えませんでしたか?

投稿: ちょっとまった | 2005/03/11 20:06

 TBありがとうございます。
 重慶の爆撃はひどかったようです。何度も爆撃を繰り返し、相手に戦意を喪失させ、降伏させるのが目的だったようですが、重慶は比較的空襲対策が出来ていたことから持ちこたえたと書いてありました。
 日本でも空襲対策というのは行ったようです。火を水で消す練習もしていたそうです。
 戦争について、単にアメリカにやられた事だけではなく、日本が他の国にどういうことをしたかについても知る必要があるのでしょうね。

投稿: toru0298 | 2005/03/13 20:54

toru0298さん、こちらこそTBありがとうございました。
東京や横浜など日本の都市への空襲について語り継いでいくことの必要性とともに、日本が他国にいかに大きな苦しみを与えてきたかについても、同じように語り継いでいく必要がありますね。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: BANYUU | 2005/03/13 22:15

>ちなみに、「文民を攻撃の対象としてはならない」「無差
>別攻撃を禁止する」「攻撃は厳格に軍事目標に限定す
>る」というジュネーブ条約第1追加議定書(1978年発
>効)に、日本が162番目の締約国として加盟したのは、>なんと昨年のこと。

>アメリカにいたってはいまだに締約国ですらないという>から、驚くとともにあきれて開いた口がふさがらない。

この部分は明確にミスリーディングです.アメリカも文民の保護を定めた1949年ジュネーブ第4条約(正確には”戦時における文民の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(第四条約)”)を批准しています.追加議定書のほうが細かな文言を追加していますが,ここで書かれた基本的な文民保護の規定に関しては,1949年ジュネーブ第4条約も同様です.

アメリカが1977年追加議定書を批准しないのは,文民保護義務に対する不満からではなく,追加第二議定書における戦闘員の定義,すなわちいわゆるゲリラなどに戦時国際法上の戦闘員の資格を与えることへの拒否と見なされています.”

一度1947年条約の条文を当たられることをお勧めします.

投稿: ななし | 2005/08/14 15:15

おっと最後の一文は1949年条約の間違いです.

投稿: ななし | 2005/08/14 15:16

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