歌舞伎座、老朽化で建て替えへ
東京・銀座の歌舞伎座が老朽化のため建て替えを検討している、という。
国の有形文化財なのに、もったいない、と思う。今の建物が出来てから50年ちょっとしか経っていない。
どうして日本の建築物はみな、50年や60年で取り壊されて新しいビルになっていくのだろうか。
ヨーロッパの建築物は200年や300年という時を経て、いまなお街並みに溶け込んで現役として使用されているのに、日本の建物は作り方が違うのだろうか。
老朽化がひどくて支障があるのなら、有形文化財の外観はこのままにして、内部だけを作り直せばよさそうなものだが、結局そのほうが費用も高くつくのかも知れない。
この歌舞伎座にはいろいろな思い出がある。
ロッキード事件に日本中が揺れるさなかのある日、僕は悠々と歌舞伎を楽しんでいた。
市川猿之助が主演で、「東海道中膝栗毛」をやっていて、けなげな姉妹が六木戸紅漢という悪の親玉をやっつけるという話だった。
六木戸紅漢とは、ロッキード高官のもじりで、前編がこの事件への痛烈な風刺だった。
翌日、改めて取材に行き、猿之助の話も聞いて、「歌舞伎の世界にもロッキード事件」として写真付きの大きな記事に仕立てあげた。
来日中のダイアナ妃が車に乗り込むところを偶然にも目撃したのも、歌舞伎座前である。ダイアナ妃はさん然と輝くばかりのオーラを撒き散らし、まわりは黒山の人だかりだった。
いずれも、もう遠い昔の話である。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「画家の長命と作家の短命、その違いに思う」をアップロード)
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コメント
高層ビル化は歌舞伎には似合いませんね。どうして日本は猫も杓子も高層化に走ってしまうのか、理解に苦しみます。これから人口減が急速に進んで、ビルも土地も余ってしまうことが目に見えているのに、誰もが目先のことしか見えていないのでしょうか。
投稿: BANYUU | 2006/05/03 17:02
歌舞伎座様に関して
改築後は戦前の3つ屋根が復活
正し舞台側がどうも高層ビル化してしまうようですよ
この件については忠告状を松竹の馬鹿に出し中です
後は松竹労組の方と連絡仕合中です
又詳しいこと解りましたらお知らせします以上
投稿: 舞台研究会より | 2006/05/03 10:08