1本の木に白、紅、ピンクの花を咲き分けるゲンペイモモ
たいていの年は、開花してすぐに雨嵐に見舞われて、おちおち花見をする間もないうちに散ってしまうことが多い。
上野公園の桜もいいが、僕は新宿御苑の広くて落ち着いた雰囲気が好きだ。
ここでは、飲酒禁止が建前なので、おおっぴらに酒盛りをして放歌高唱する光景はほとんど見られない。
おかしなことに、苑内の売店では堂々と缶ビールを売っていて、「ビールは店の休憩所でお飲み下さい」と張り紙がしてあるが、守らない人もいるのではないだろうか。
この季節、地面スレスレに届きそうなほど枝を伸ばしている大木の桜も見ごたえあるが、僕が楽しみにしているのは、ソメイヨシノの開花のころに見ごろとなっているゲンペイモモだ。
これは名前のとおり、モモの一種なのだが、新宿御苑のゲンペイモモは、1本の木が白、紅、桃色の花を咲き分けているのが感動ものだ。
よく見てみると、花びら自体が白と紅、白とピンクが混じったものもあり、どうして一つの木がこのようにさまざまな色の花を咲かせるのか、不思議な気がする。
ゲンペイモモの前で写真を撮る人たちも多く、アマチュアカメラマンたちも凝りに凝った構図を狙いながらシャッターを切っている。
毎年、季節がくれば見事に多色の花を咲き分けるゲンペイモモに比べたら、人間が出来ることなどあまりにも小さい、という気がする。
お花見の季節は、人間は植物たちの前に謙虚にひれ伏すしかないということを、悟らせてくれる格好の季節だと思う。
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コメント
cassiopeam101さん、トラックバックとコメントありがとうございます。世田谷辺りというのは、住宅街の庭などにゲンペイモモがあるのでしょうか。きっと、きれいでしょうね。
投稿: BANYUU | 2005/04/12 13:42
世田谷辺りでも見られます。
投稿: cassiopeam101 | 2005/04/11 22:41