脱線事故の恐怖まざまざ、新幹線は大丈夫か
高速走行中の電車がマンションに激突するという事態は、だれもが考えたこともない事態だった。
尼崎で起きたJR福知山線の大惨事は、列車事故の中でも最悪の状況といえる。
電車の沿線には、ほとんど線路ギリギリのところまで、マンションが立ち並ぶのが当たり前のようになっている現代で、ひとたび脱線すればどのようなことが起きるかを、初めて見せ付けた事故だった。
73人の死者。それぞれに、これから延々と続くはずの人生が、一瞬にして終わってしまう。
今日のこと、明日のこと、そして今年のプラン、これからの人生の目標。すべてがこの瞬間に終わって、自分が死者となるとは、だれもが思ってもみなかったことに違いない。
無残な姿をさらした脱線車両を取り除く重機の写真が、夕刊に載っている。
そのオレンジ色の重機のアームに、大きく書かれた文字が、「未来に夢中です」とは、悲しすぎる。
事故現場のカーブで、どのくらいの速度を出していたのかは、いずれ解明されるだろうが、速度×質量が運動エネルギーになることの恐ろしさが、改めて浮き彫りにされた。
250キロで走行する新幹線は大丈夫なのか。直下型地震による脱線はもちろんだが、さまざまな不運が重なって起きる脱線の可能性も皆無ではあるまい。
新幹線の沿線には、マンションやオフィスビル、工場などがひしめき合っている場所がいたるところにある。
そこに250キロで走行中の新幹線が突っ込んだら、死傷者の数は前例のないものになる恐れがある。
脱線を防ぐための補助レールや、線路から飛び出さないための防護壁など、費用はかかっても、万一の場合の策を講じておかないと、大変なことになる。
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コメント
フロレスタンさん、はじめまして。運動エネルギーは速度の二乗に比例するのでしたか。そうなるとますます新幹線の速度が怖くなりますね。とくに高架橋や盛り土の上を走る区間などで、もろくなっている箇所があるのでは、と心配してしまいます。250キロで走行中に脱線しても、転覆さえ防ぐことが出来れば、犠牲者を最小限に食い止められると思いますが、何か有効な方法はあるでしょうか。
投稿: BANYUU | 2005/05/04 21:56
ちょいと突っ込みを入れさせて頂きますね(^_^)。
運動エネルギーは、1/2×質量×速度の二乗です。
JR西が運行主体である山陽新幹線は、一部車両で最高時速300kmを出しています。脱線防止ガードは必要な箇所にはついていると思いますが、今回の事故でJR西には疑念が生じますね。
なお、新幹線は運転士が居眠りしても「ちゃんと」停止するので、今回のような事故は平時には起きないはずです。大地震の時はその限りではない。
線路脇の防護壁は、場合によるとそれがあることによって、なければ死なずに済む乗客が死ぬ可能性もあるので、設置した方がいいのかどうか、難しいところですね。
投稿: フロレスタン | 2005/05/04 20:28