ゴッホ展は入場までに50分待ち
東京国立近代美術館で開催中のゴッホ展は、まだ期間に余裕があると思っていたら、残り10日余りになってしまった。
そこで今日は意を決して行ってきた。平日の午後ならそれほど混雑してないのでは、と思ったのだ。
行ってみて驚いた。入り口前には、万博の人気パビリオン並みの長蛇の列が蛇行していて、最後尾のプラカードには「入場まで50分待ち」と書かれている。
いや、すごいものだ。入場までこんなに待つのは、11年前に上野で開催されたバーンズコレクション展で2時間待ちの行列に並んで以来のことだ。
ようやく入館できても、館内は大変な混みようで、雑踏の流れについていたのでは、いつになったら進むのかも分からない。
そこで順路に従って進むのをあきらめ、今回の展示の目玉とされている作品を重点的に鑑賞することに目的を絞る。
「芸術家としての自画像」「花魁」「種まく人」「夜のカフェテラス」「黄色い家」「糸杉と星の見える道」等々。
これらの作品の前に行って、人だかりの一番後ろで辛抱強く待つ。人だかりは少しずつほぐれていって、時間がくればいつかは自分が一番前で鑑賞することが出来る。
「黄色い家」はゴーギャンとの関係を思い浮かべながら見ると、空の異様なほど濃い青が、希望の中に不吉なものをにじませている。
「糸杉」は、あまり前で見るよりは、少し離れて見たほうが、絵全体が揺れるような感じがして強烈だ。
それほど人だかりがしていないものでは、「ピエタ」と「善きサマリヤ人」がよかった。ゴッホの宗教画は5点しかないというが、宗教臭を感じさせずに直接心に訴える静謐な絵だ。
22日の最終日に向けてますます混雑していくかも知れないので、前売り券を買っていてこれから行く方は、どうぞお早めに。
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