煙草がやめられる地蔵、都市計画で立ち退きか
お参りすれば必ず煙草が嫌いになり、禁煙することが出来る、と昔から言い伝えられているお地蔵様が、新宿新都心から少し北に行ったところにある。
北新宿の大久保通りと小滝橋通りとの交差点の角にある「金塚地蔵」がそれである。
地蔵堂は、車の交通量の多い二つの通りにはさまれた金物屋の壁にかろうじてくっつくように、ひっそりと建っている。
ここには庚申塔や地蔵など5つの石造物が並んでいて、そのうちの右から2番目の一番背の高いのが金塚地蔵で、このお地蔵様が煙草を嫌いにしてくれるとされている。
写真では、一番右はほとんど隠れて見えにくいが、その隣の赤い布が上の庇のあたりまであって頭が隠れているノッポのお地蔵さまがそれである。
さて、今日このお地蔵さまのことを取り上げるのは、この区域の都市計画によって地蔵堂の建てられている一角の建物が取り壊しとなり、立ち退かされるお地蔵さまはどうなるのだろうか、と地元で話題になっているのだ。
これはまだ、どのマスコミにも取り上げられてなく、僕が地域の情報通とのオシャベリを通じてキャッチしたばかりのマル秘情報で、このブログの「完全独占スクープ!!」なのである。
それによると、大久保通りには20年以上も前から拡幅の計画があるのだが、ほとんど進展しておらず、この交差点では大型バスが曲がる時に難航して時間がかかり、ほかの車の通行が止められて大渋滞の一因となっていた。
道路の拡幅にはまだ相当な年月がかかりそうなことから、とりあえず交差点の空間を広く取って、バスがスムーズに曲がることが出来るようにする。
そのため、地蔵堂を含む数軒の商店に立ち退いてもらうことで話がまとまって、近々、立ち退きと建物の撤去が行われる、というのだ。
金塚地蔵はもとは、現在地より南にあった百八塚の一つ、金塚の脇に建っていたが、塚が崩されたため、明治20年に今の場所に移されたという。
都市計画によって、118年間住み慣れた地を追われるお地蔵様の行く先は決まっているのだろうか。
煙草をやめたいがやめられなくて困っている人は、いまのうちにお参りしておいた方がいいかも知れない。
【注】この記事には続報があります。
08年4月18日付け
08年7月15日付け
08年7月23日付け
08年7月24日付け
08年7月26日付け
09年7月29日付け
10年7月23日付け
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コメント
近所のひとたちもみな、お地蔵さんがどうなるのか心配しているようです。お参りする人やお花をお供えする人がいつも絶えず、100年以上に渡ってこの地を見守ってきたお地蔵さんですので、やみくもに撤去してしまったら、ばちが当たりそうな気がします。
道路拡幅という都市の変貌の中で、お地蔵さんをどのように守っていくことが出来るのか、現代に生きるみんなが問われているように思います。
投稿: BANYUU | 2006/04/13 18:27
早速の御返事、ありがとうございました。
また、お地蔵様がまだいらっしゃるとのこと、まにあってよかったです。
このお地蔵様は、また、移転の憂き目にあうのでしょうか。お地蔵様にとっても、都内での生活は大変のようですね。
行政がどのような対応をするか、というよりもお地蔵様がどうなってしまうのか、引き続き注視していたいと思います。
行き場がないようでしたら、うちの田舎に来ていただきたいです。
投稿: natu | 2006/04/13 17:52
1週間ほど前、このあたり一帯の道路拡幅計画を公示する東京都の看板が立てられました。金塚地蔵のある金物屋さんのあたりは、立ち退き地区になっています。
金塚地蔵のお世話をしている金物屋さんに今日、話を伺ったところ、立ち退き交渉などすべてはこれからなので、また何も決まっていないが、このお地蔵さんは戦国時代からあると伝えられているので、それをなくするわけにはいかないだろう、と言っていました。
投稿: BANYUU | 2006/04/13 15:28
東京からは遠く離れた田舎から楽しく拝見しております。その後、地蔵様は立ち退くことになったのでしょうか。とても心配です。
投稿: natu | 2006/04/13 09:34