怒れサダム、パンツ写真を世界に流した米を許すな
このところ、あり得ないような写真や映像が世界を驚かせている。
まず、さまざまな説が渦巻いている「沈黙のピアニスト」。世界中から1000件の情報が寄せられているというが、いまだに身元が分かっていないらしい。
つづいてこれと話題を二分したのが、千葉市動物公園の直立レッサーパンダだ。昨日の東スポの1面には、「直立レッサーパンダ密着取材!」の大見出しが最大級の文字で踊っていた。
もっと衝撃だったのは、フセイン元大統領のパンツ姿の写真が英大衆紙「サン」を通じて、世界中に流されたことだ。
この写真が掲載された「サン」の表紙の写真を見ると、フセイン元大統領はパンツ1枚のみじめな姿で自分のスボンを洗っている。
僕は、サダム・フセインが独裁者としてやったと伝えられるクルド人への弾圧や化学兵器の使用などについては、それが本当ならば厳しく糾弾されてしかるべきと思う。
しかし、かりにも一国の大統領だった人間に対して、このような屈辱的な写真を撮影し、スキャンダラスなメディアを通して世界に流すというのは、アメリカであろうが誰であろうが許されるべきことではない。
そもそもアメリカが強行したイラク戦争の根拠だった大量破壊兵器が存在しないことが明らかになってからは、いまアメリカがイラクに軍を置いていることの正当性は崩れ、サダム・フセインを捕らえたこと自体いかなる根拠に基づくものかさえもはっきりしない。
「サダムは悪者だから先制攻撃は正しかった」などという論理がまかり通ったら、世界は常にいたるところで戦争をし続ける状況が続く。
僕は、アメリカの鼻持ちならない傲慢と無責任そしてブッシュの愚劣さを見せ付けられるにつれ、このようなアメリカによってパンツ写真を世界のすみずみにまでばら撒かれたサダム・フセインに同情を禁じえない。
フセイン元大統領の弁護団は、この写真は戦争捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約に違反するとして、「サン」紙と写真提供者を相手取って、100万ドルの損害賠償を請求して訴訟を起こす方針という。
世界で最も危険な国アメリカに屈しないサダムは、この憂鬱な世界にあっては貴重な存在だ。
がんばれサダム、屈辱的なパンツ写真を許すな。アメリカの国際法違反のイラク侵略をとことん糾弾しろ。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「指定券発売機は不便、JR窓口の新入社員にホッとする」をアップロード)
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