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2005/05/03

改憲読売の高笑い、歯切れの悪い朝日や毎日

憲法記念日の5月3日は、新聞を読み比べるのが年ごとに憂鬱になってきた。

年々、世論調査のたびに改憲賛成が増えてきて、いまでは護憲の意見よりも多くなっている。

これまで憲法改正試案を発表するなど、改憲ムード作りの斬り込み隊を自認してきた読売は、今年は余裕しゃくしゃくで、社説には高笑いすら読み取れる。

それに対して、10年前には明確に護憲を打ち出していた朝日、毎日の今年の社説は歯切れが悪く、敗北ムードを通り越して、改憲の世論に理解を示しておもねる態度すら見せている。

とりわけ朝日の社説の最初の方に、「護憲ってダサいし、就職にも不利っぽいかも」という大学生の話を載せているのは、論説委員室の意図はどうあれ、改憲でなければ日本人にあらず、といった雰囲気づくりに一役買うようなものだ。

世の中を見回してみても、護憲だけが取り柄のようだった社会党の姿はなく、その名残は一部は自民党よりも改憲に積極的な民主党内に移り、それ以外は数えるのも気の毒なほど少数党になった社民党にかろうじて残るだけになった。

共産党の護憲ははっきりしていて分かりやすいが、なにせ数が少なすぎる。

こんな調子で、結局は日本の社会全体が改憲ムードに取り込まれて正気を失い、とりかえしのつかない結果になるのではないか。

カギをにぎるのは、民主党よりもむしろ公明党だろう。

公明党は、9条については1項、2項とも変えずに、環境権やプライバシーなどを書き加える「加憲」の立場を表明しているが、憲法前文を変えるかどうかについては、態度がはっきりしていない。

僕は、そもそも現行憲法を変えることには強く反対ではあるが、流れが改憲に傾いて行って押しとどめることが不可能ならば、せめて公明党には、9条はもちろんのこと前文にも手をつけないことを、党の基本方針として国民に約束すべきだと思う。

マスコミはもはや歯止めにはならないので、市民の側から「草の根護憲」を積み上げるなどして、21世紀の今こそ世界に誇る日本国憲法を生かすべき時であることを、内外にアピールしていかなくてはならない。

一足飛びに国民投票法を制定して改憲ムードを決定的なものにしようという動きが出ているが、護憲派は浮き足立つことなく、緻密な戦略を立てて衆参の国会議員の3分の2による改憲発議をつぶすことに、全力で立ち向かう必要があろう。

そのためには、改憲勢力の中に亀裂を作り出し、どこをどのように改正するかでそれぞれの勢力同士で収拾がつかなくなるように、さまざまな働きかけをしていくことが大切だ。

また3分の2を早く獲得したいために、改憲タカ派にとって受け入れ難いほどの、妥協改憲案しか作れない状況にして、改憲タカ派の意気込みをくじいてしまうことも重要だ。

いまですら、最も強硬な改憲カタ派の中には、3分の2のために独自色を大幅に薄めるくらいなら、そんな改憲は認められないとして、究極の「護憲」に近づいている部分さえある。

こうした改憲タカ派の気勢をそぐことは、全体の流れを左右していく重要なファクターであり、決して軽視してはならない。

中国や韓国などで高まる反日の機運は、日本国内の改憲の底流と深く関わっていて、極めて敏感に相互反応している。

国際社会とりわけアジアの国々が、日本における改憲の動きを厳しく見守っていることを、忘れてはならない。一歩間違えば、改憲した日本は国際社会から総スカンを食らいかねないことも心しておきたい。

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