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2005/06/02

出生率減を覆い隠す数字のトリック

厚生労働省が発表した04年の出生率(合計特殊出生率)は、前年と同じ1.29で横ばいだという。

この「横ばい」という政府の発表にマスコミは安心しきって、去年のように「1.29ショック」を大きく取り上げることなく、危機感もさほど感じられない。

しかし、この「横ばい」は数字のトリックである。

小数点以下3位を四捨五入しているから、1.29で同じに見えるが、実際には出生率は減少を続けている。

去年発表された1.29は、より詳しくは「1.291」である。

しかし今回発表された1.29は、より詳しくは「1.289」であり、初めて1.28台となっている。

厚生労働省は02年に、出生率は07年に1.306で底を打ち、2050年にかけて1.39にまで回復する、と説明していた。

去年、1.29になった時も、ミレニアム婚による出産ブームが一段落したことによる一時的な減少に過ぎない、と厚生労働省は説明していた。

出生率低下が一時的どころか、歯止めのかからない雪崩現象の様相を呈しているのに、政府も政治家もそして経済界も危機感は薄い。

日本の人口は06年がピークで07年から減少に転じるといわれてきたが、実際には今年がピークあるいは去年がピークですでに減少を始めている、という見方も出ている。

自己責任が強調され、格差が広がって2極化しつつある日本。国家としての覚悟を勇ましく語り、戦争すら辞さない強い国家を目指そうという動き。このような中で、女性たちが子どもを生む気持ちになりにくいのは当然だ。

GDPを上回る700兆円を超す国債を抱え込んで、もはや世界でも最悪クラスの財政破綻国となっている日本は、少子化と人口減によって、国家消滅への道を加速度的に進んでいるような気がする。

(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「喫煙大国日本の狙いは、年金支給前の肺がん死か」をアップロード)

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時々、本を買う。 1年間に40冊未満なのは間違いないから、決して読書家ではないね。 「破綻国家」希望の戦略 これは今日買ってきた本のタイトル。 ここ数年で買った本の殆どがこの手の経済関連の、ヘビーで、それもかなり悲観的なものばかりなのだ。 この本、まだ読んでないからオモシロイかどうか知らないけど、きっとワクワクするに違いない。 日本政府の財政がいつ破綻してもオカシクない事態なのは周知の事実だから、この著者がどのよう... [続きを読む]

受信: 2005/06/13 09:42

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