ゴキブリとの2度に渡る大格闘の結末
ゴキブリの話を読んだだけで気持ちが悪くなる方は、この記事を読まない方がいいかも知れない。
僕の家では、ここ数年、大きなゴキブリは発生していなかった。
それが一昨日の夜、部屋の中に丸々と太った一匹のゴキブリが現れた。体長5、6センチほどはあり、見るからに憎たらしい。
僕は、ゴキブリに右のスリッパを投げつけて部屋の中央に誘い出し、隠れ場のないところへ追い込んで、左のスリッパで踏みつけようとした。
その時、まさかのことにゴキブリが奇声を発して僕を威嚇したのである。それは、「ハーッ」というようにも、あるいは「シャーッ」というようにも聞こえた。僕はこの威嚇を受けてすっかり動転してしまった。
昔、やはり今回のようにゴキブリを追い詰めたところ、ゴキブリが羽を広げて空中を飛び、僕の首のあたりに飛びついてきたことがある。
その恐ろしい記憶が蘇って、僕は一瞬、ひるんでしまい、ゴキブリはそのスキにさっと食器棚の下あたりに逃げこんでしまった。
思いもよらない捕り逃しに茫然となっているところへ、それから1時間ほど経ってこんどは壁面にゴキブリが現われた。
さっきと同じヤツかどうかは分からないが、気のせいか、こんどの方が大きいようにも見える。
僕は失敗を繰り返さないように、目はコキブリから離さずに、そっと片方のスリッパを手に持ち替えて、渾身の力を込めてゴキブリを一撃でぶっ叩いた。
コキブリの体は4つに分かれて飛び散り、これで完全に息の根は止まったかに見えた。
僕はティシュを重ねて、敵の残骸の始末にとりかかった。バラバラになった破片を拾うのは、気持のいいものではない。
最後に、最も大きな破片を拾おうとしたところ、その破片がバタバタと狂ったように動き始めた。まさにゾンビのごとくである。
僕は心臓が止まりそうになりながら、動く破片をビニール袋に包んで、これでもかこれでもかと握り潰して、ようやく塵入れに捨てた。
2度に渡って僕が格闘した相手は、同じヤツだったのか、別なヤツなのか。同じだとしても、こんなに大きなものがいるということは、まだほかにもいる可能性がある。
ということで、僕は久しぶりで、「ごきぶりホイホイ」を買ってきた。
ゴキブリとまともに格闘するのは疲労困憊するものだ。
粘着シートで静かに捕獲するというのは、知性を武器に繁栄の道を歩んできた人間の知恵なのだな、といまさらながら感心しているが、まだシートには一匹も捕まっていない。
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