霧中のロンドン舞台に、相次ぐ衝撃のニュース
ロンドンをめぐる衝撃の大ニュースがつぎつぎに飛び込んでくる。
2012年の五輪開催地はパリという大方の予想を覆して、ロンドンが大逆転で栄冠獲得。
その興奮にわく中、ロンドンの地下鉄やバスなどを狙った同時爆破テロが発生して、38人が死亡、700人以上が負傷という惨劇。
この混乱の中、2012年のロンドン五輪から野球とソフトボールは除外されるという、まさかのニュースも飛び込む。
僕は7年前に一度、ロンドンへ行ったことがあるだけだが、その後、思いがけないつながりを持つことになる。
ロンドンで発行されている在欧邦人向けの日本語新聞「英国ニュースダイジェスト」に、僕が時評エッセイ「時間の岸辺から」を連載することになったのは、02年3月からだった。
連載は3年間に渡り、この間、僕はロンドンの会社には一度も顔を出すことなく、原稿の送信も編集者による直しも校正も、すべてメールのやりとりで行ってきた。
いつか機会があったら、英国ニュースダイジェストのオフィスを訪ねたいものだ、と思っているうちに、今年3月、この新聞は経営権の譲渡をめぐるトラブルから4週間にわたる発行中断という異例の事態に陥った。
その後、この新聞は新しい経営陣のもと、法律的には全く新しい会社として再スタートし、20年間続く「英国ニュースダイジェスト」の名前と通算号数を引き継いで発行を開始した、と聞く。
僕の連載は、このトラブルに巻き込まれた形で自然終了となった。
新しい編集部との連絡もないまま、僕にとってはもはや過去の関わりになってしまったのだが、数日前、「英国ニュースダイジェスト」の1000号記念号が、僕のもとに郵送されてきた。
僕の原稿が掲載されたのは988号までだった。990号のために送った原稿は、もはや掲載されることがなかった。
この新聞が新しい陣営のもとで、とにもかくにも1000号を迎えたことは、僕にとっても感慨深いものがある。
ニュースダイジェストの現社員たちや、僕の連載を担当していていまは会社を去った歴代の編集者たちは、今回のテロに巻き込まれることなく無事だったのだろうか、と気にもなる。
ロンドンは、僕にとって幻とうつつが交錯する霧中の都市である。
| 固定リンク
コメント
ロンドン地下鉄テロと、営団の気になる「駅ナンバリング」。小泉もますますブッシュのポチ状態だし、、。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2005/07/post_a850.html
書きました。
投稿: SOBA | 2005/07/09 11:33
SOBAさん、たしかに東京メトロと都営地下鉄の駅ナンバリングは、利用客にほとんどメリットはなく、何のためにコード化するのか不思議な気がします。
僕の想像では、これは有事の際に、地下鉄ホームや線路を防空壕として使うための布石ではないでしょうか。ナンバリングしておいた方が、国民の避難誘導など管理がしやすい、という思惑があるように感じます。
投稿: BANYUU | 2005/07/09 15:44