ハリケーンと原油高騰とカマボコ
まずはタイトルを書いてみたものの、いったいどのカテゴリーに入れるべきなのか、判断にまよう。
ニューヨークの原油価格が、1バレルあたりで初の70ドルを突破したという。
中国での旺盛な原油需要など、さまざまな要因に投機筋の思惑などが絡んで、このところ原油の高騰が止まらない。
それに追い討ちをかけるように、超大型ハリケーンの米メキシコ湾岸直撃で、需給が切迫する懸念がいっそう高まっているためという。
このハリケーンそのものについては、「表」の「時間の岸辺から」に書き分けているので、そちらもご覧いただきたい。
さて、僕自身はもう車を運転することもないので、原油高といっても、直接的にはピンとこない。
が、このところ日本でも、原油高の影響がジワジワと押し寄せている。
その一つが、かまぼこ、ちくわ業界だ。
漁船の燃料代が上がっているため、紀文はさきごろ、カマボコやチクワ、ハンペンなどの価格を10%上げたばかりだ。
総選挙への影響を恐れてか、細田官房長官は今日の会見で、「国内総生産に占める原油価格の比率は小さく、日本の物価を大きく上昇させ、成長の勢いをとどめるようなものではない」と述べている。
だが、カマボコなどの値上げはまだ序の口であって、これから本格的に電気、ガスをはじめ、運賃や輸送費に波及していくならば、あらゆる物価がその影響を免れず、日本経済の屋台骨を大きく揺るがせかねない。
待望のデフレ脱却どころか、経済不況とともにインフレが襲うスタグフレーションという最悪の事態すら、現実味を帯びてきている。
総選挙では、どこもあまり触れたがらない1000兆円を超えている国と地方の借金は、金利の上昇によって返済不能になりかねない。
原油の高騰くらいたいしたことないと、たかをくくっていると、気が付いたときには日本経済は火だるまになっているような予感がする。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「風速70メートルのハリケーンは、温暖化とは無関係か」をアップロード)
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