今年の流行語大賞は「刺客」で決まりか
新聞に「刺客」の文字が躍らない日はない。夕刊紙などが超特大の見出しでこの文字を入れていると、ド迫力がある。
これは正しくは何と読むのだろうか。
辞書を見ると正読みは「しかく」で、広辞苑では「せっかく」という読みも正読み扱いになっている。副読みとして「せきかく」「しきゃく」がある。
テレビなどでは「しきゃく」と言っている人が多いような気がする。「しかく」では聞いてピンと来ないのかもしれない。
意味をみると、「暗殺を行う人」(広辞苑)、「『暗殺者』の意の漢語的表現」(新明解)だそうだ。
では暗殺とはどういうことか。「ひそかにねらって人を殺すこと」(広辞苑)、「〔おもに政治上・思想上の対立から〕(無防備の)反対派の人を、すきをねらって殺すこと」(新明解)とある。
この「無防備の」というくだりは泣けてくるなあ、亀さん、綿さん。ほんとに同情しちゃうよ。
いま次々と送り込まれている刺客は、「ひそかに」とか「すきをねらって」どころか、白昼堂々と殺し屋を名乗って乗り込んでいるので、小泉劇場というステージの上での真剣による殺し合いになっている。
英訳では "Shikaku" (Assassin)となっている。assassinだけでは文字通りの暗殺者となって、日本的な独特のニュアンスが出ないからか、両方を並べてどちらも頭を大文字にして、固有名詞なみに扱っている。
刺客のねらいは、相手を殺すことが第一で、当選を妨害することに尽きる。自分が当選すれば、それはそれで上出来くらいに構えているのだろう。
小泉粛清テロ選挙がらみで、今年の流行語大賞の候補が続々と出てきた。
「白組・青組」「ひからびたチーズ」「くノ一」「殺されてもいい」等々。大賞はやはり「刺客」で決まりか。
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コメント
僕の新解さんも「しかく」の項に、「しきゃく」「せきかく」と書かれていますが、「せきかく」ではひけないです。
パソコンの変換では、「せっかく」で刺客になりますが、「せきかく」では変換されません。
こんな言葉を、みんなが口に出す時代って、やっぱりどこかヘンですね。
投稿: BANYUU | 2005/08/21 00:07
「しかく」じゃないの?と思ったけど、
そもそも日常で口に出すことなんてない言葉。
わたしの新解さんでは「正しくは、[せきかく]」だけど、
「せきかく」ではひけません。
投稿: 秋葉OL | 2005/08/20 23:24