民営化反対の37人公認せず、有権者はどう動く?
自民党は衆院で郵政民営化に反対した37人を公認せず、全選挙区に候補者を立てる。
小泉首相のこの方針は、郵政民営化の是非を国民に問う総選挙と位置づけた論理からは、当然の帰結かも知れない。
公認されない37人の多くは、いまのところ無所属で出馬する意向で、新党の動きには慎重だ。
政治の世界は非情なものというが、今回の反対派切捨てほど小泉首相の冷酷さを示すものはないであろう。
僕は、郵政はいずれ現在の公社から民営化すべきだと思うが、民営化の前提としてなすべきもっと大きなことがいっぱいあると考える。
みんながほとんど気づかないうちに、日本は世界でもまれに見る格差の激しい国になってしまった。
8月1日の朝日新聞夕刊に橘木俊詔京大教授が書いているところによると、OECDが最近発表した数字で日本は、アメリカとアイルランドに次いで先進国で3番目に高い貧困率となっている。
それを示すさまざまなデータの一つとして、生活保護世帯の急増が挙げられている。
10年前は60万世帯・90万人程度だった生活保護受給者は、現在、100万世帯・140万人に膨れ上がっている。
郵政民営化をはじめとする社会改革は、貧困率の拡大や貧富の格差の拡大を食い止めるものとして、行われなければならない。
ところが今、小泉首相が何が何でも断行しようとしている改革は、基本的には郵政3事業にも市場原理を導入し、厳しい市場原理にさらす中で勝ち負けをはっきりさせていこうというものだ。
当然、民営化された後の郵便保険や郵便貯金に対しては、アメリカの金融資本が軒並み、舌なめずりをして狙っている。
こうした中で行われる民営化では、郵便貯金もアメリカ資本の餌食になって、ズタズタの状態にされるのでは、という不安を拭い去れない。
小泉構造改革の本質は、アメリカ流の市場原理を日本社会に徹底させることによって、社会の隅々にまで競争原理をいきわたらせ、競争に敗れたものたちを排除していくことにある。
郵政民営化に反対した議員たちを、バッサリ切り捨てるやり方に抵抗を感じるのは、こうした基本的な問題がほとんど議論されていないことにある。
無所属で選挙に臨むこれらの反対議員に、日本人特有の判官びいきが加わって、同情票が雪崩を打って集まらないとも限らない。
ガリレオを気取っているコイズミさんは、ふたを開けてみたら裸の王様になっていた、ということだって、あるかも知れない。
選挙は水物である。無党派層の怖さをあなどってはいけない。
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