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2005/08/23

政府予測より2年早く今年から人口減少、の衝撃

05-08-23_17-36これは日経のスクープなのか、ほかの社でもつかんではいたが総選挙に与える衝撃を考慮して掲載しなかったのか。

政府は長い間、日本の人口は2006年をピークにして2007年から減少に転じる、という予測をたてていて、それがさまざまな経済政策とりわけ社会保障や税制などの基本になっていた。

ところが今日の日経夕刊1面トップの記事によると、厚生労働省の人口動態速報値で今年上半期の人口は、出生数が死亡数を初めて下回って、3万1000人の自然減になった、というのだ。

下半期で一挙に、出生数が減少数を3万1000人上回ることがない限り、今年1年を通した人口は初めて自然減となり、日本の人口のピークは去年で、政府の予測より2年も早く人口減少社会を迎えたことになる。

このことの持つ衝撃度は、郵政民営化に賛成か反対かという、こんどの選挙で小泉首相が仕掛けている問いかけを、一気にご破算にしてしまう破壊力がある。

もはや郵政だけを論じている場合ではないのだ。

いつもいつも人口動態についての政府の予測は、あまりにも政治的配慮を働かせすぎて、実態を無視した甘い数字になってきた。

出生率について政府は去年まで、07年に1.31で下げ止まり、その後は上昇して1.39程度が長く続く、と説明してきた。それが去年は初めて1.3を割り込んで1.29となり、今年も四捨五入した数字には表れない減少が続いている。

人口減少が始まる年が、政府の予測より2年も早まっているとすれば、僕たちはあらためて人口減少社会について根本的に考えてみる必要がある。

政府のこれまでの予想では、2050年に日本の人口は1億59万人になっている、とみていたが、急激な人口減の結果、1億人を切るのはもっとずっと早いのではないか。

出生率がこのままでいくと、孫の世代で人口は半分以下になり、その孫の世代では今の人口の5分の1にまで縮小してしまう。

総選挙の争点は、まずこうした予測を超えた少子高齢化社会の進行と、急激な人口減少社会の到来の中で、限られたお金と働き手をどのように生かしてどんな社会を作っていくのか、ということだ。

高負担・高福祉の社会か、低負担・低福祉の社会か。それとも低負担・高福祉の道があるのか。

所得税も法人税もこれからますます減っていくことが明らかな中で、国と地方を合わせて1000兆円を超している借金をどうするのか。

もはや返済は不可能である旨を政府が宣言して、国家としての破産を内外に認めてしまうというのは、十分にありうる方法だ。

そこまで恥をさらす前に、唯一、合法的に借金を帳消しに出来る超インフレに流れをゆだねてしまう、という方法は最も現実的かも知れない。

僕は、すでに始まった人口減少社会の到来にどのように対応するのかを、候補者選びの大きなポイントとしたい。

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