国勢調査とプライバシー
10月1日現在で全国民を対象にした国勢調査が行われる。
今日、新聞受けに「調査についてのお知らせ」というチラシが入っていた。
それによると、人口・世帯の実態を明らかにする国の最も基本的な統計調査です、と意義が強調されている。
あれっ、人口・世帯の実態は、厚生労働省が1カ月ごとに集計し、半年ごとに発表している人口動態統計で十分把握できているはずじゃないのかなあ。
国勢調査は総務省の担当だから別なのか。いや待てよ、同じ総務省が管轄する住民基本台帳にもとづく1年ごとの集計も信頼性は高いはずだ。
なんだか屋上屋を重ねる税金の無駄遣いのような気がしないでもない。コイズミ大統領は、たしか小さな政府をつくると言ってなかったっけ。
国勢調査は、たとえば前回の調査表を見ても、居住者全員の実名を書かせた上で、どうしてこんな踏み込んだ内容まで尋ねるのだろうか、と思うような質問がやたら多い。
届出の有無に関係なく配偶者があるかどうかや、配偶者との離別・死別まで記入する必要はあるのか。
また家計の収入の種類や、最終学歴までこと細かに調査する必然性はあるのか。
さらに勤め先の課名や事業の内容まで書かせるのはなぜか。
住宅の床面積も必要かどうか疑問だが、僕が最も理解に苦しむのは、共同住宅に住んでいる場合、何階建ての住宅の何階に住んでいるかを書かなければならないことだ。
何階に住んでいるかなんて余計なお世話で、そんなプライベートなデータを表に出すことは防犯上からも極めて危険ではないか。
国家が国民一人一人について、こと細かに把握し管理したいという欲求は分かるが、行き過ぎた調査を無理やり強行すれば、国民の間には国勢調査離れが起きかねない。
僕は、調査表が配られたら必要最小限のデータは記載するが、自分で納得できないデータについては記載しないで空欄にし、封筒に密封して提出するつもりだ。
この記事の続報は、10月1日の記事に。
参考サイト 国勢調査の見直しを求める会
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コメント
kokukokuさん、生々しい実態を克明に書いていただき、ありがとうございました。このような現場での詳しいやり取りは、これまであまり目に触れることがなかっただけに、衝撃的といえます。全国各地で、これに近いような状況がいたるところにあるとするならば、調査そのものの信憑性や統計としての信頼性は、地に落ちているといっていいでしょう。
5年後はもはや、今回までと同じような調査は出来ないし、するべきではない、と強く感じています。
投稿: BANYUU | 2005/10/15 22:33
今回、国勢調査員の仕事をお手伝いすることになり、その業務の大変さと国勢調査の意味のなさ及び業務を推進している市職員のあり方に疑問を感じました。
まずは、国勢調査員の選定方法、私の場合木更津市からの押しつけでやむを得ずボランティアというつもりで協力させて頂きました。まずはいきなり説明会の日時選定と同調査報酬の振込口座指定の返信用紙が送られて参りました。
私はこのような報酬を前提に義務だからというようなやり方に不満を感じたので応じないでおりましたら、いきなり市職員という方が国勢調査の書類一式と任命書を私の不在の際に持ってきたようです。(押し売りに近い)業務自体に協力の意思は有りましたのでやれる範囲で思い配布回収させて頂きました。配布にあたっても手交が前提でしたので何度もアパートに通い(私のエリアはアパートが3/4程度)配布を試みましたが半分以上配れません(こんな調査意味ないなとつくずく思いました)配布最終日には配布が手交で不可能であることを告げたら木更津市職員はポストに投函してくださいとのこと、他のエリアでは既にポスティングしているということを聞いてビックり。(既に回収もしているということを聞いて2度ビックリ。フライングかよ…毎回調査員の常連という人の対応)回収も推して知るべし90件程度の世帯数鵜に対し回収が40件。(全く意味がない誰かが言わないといけないのではないか)配布時に作成した資料に基づき提出資料を作成も時間がなく手伝ってもらい、なんとか作成提出に行ったらそこでチェックする様子、時間もなく早く帰りたいと必要な資料はそろっているのでそちらでお願いしますと主張したところ、身分証明書もつけていない中年の女性がやるのが当たり前のような高圧的な態度で迫って恫喝されると、しばらく監禁状態で事情聴取、ボランティアのつもりで協力したのにこんな目に遭うなんてと憤慨して周りを見ていると、どうも身分証明書をつけていない人間が3名程、事情聴取をしている方に先ほどの中年の女性の身分紹介をお願いしても教えてもらえず、それならばと身分証明書をつけるよう伝えてもらいましたが、いくらたっても対応をしない。これはまずいのではないかとその場に直接出向くと市職員で企画課のものだと言い、それでもつけようとしない不遜な態度、しまいには自分が大きな声を出して話しており、こちらが普通に話しているにもかかわらず、大声で話すと他の調査員に迷惑がかかるからと別室へ誘導しようとし、何をされるかわからず怖かったのでその場で話しを継続、その場に上司と思われる人が現れようやくその中年木更津市女性企画課職員は謝罪。私はようやく解放された。
今後、私が○○地区自治会主要理事を務めている間は木更津市のこのような業務には2度と協力をしないことを自治会理事会、役員会に提案、そのようにするつもりです。
投稿: kokukoku | 2005/10/15 20:08