人が途絶えた一瞬の不思議空間
ふだん何気なく通っている場所なのに、一瞬、別世界に迷い込んだような錯覚に陥る時がある。
それは、ほんのわずかな時間の隙間に、たまたま人間がふっと消えてしまったような場合に起こる。
都心の喧騒の只中にあって、いつもは人で行き交っているのに、なぜか人がいなくなった。
思わず、ケータイで不思議空間を撮る。
無人の状態は1分ほど続いた。時間と空間が凍結したような、完全停止。さんさんと降る日の光も凍ったようで、怖いようだ。
ここは、新宿タカシマヤの5階とお隣の紀伊国屋書店を結ぶ空中の連絡通路。
下から見上げてもクラクラするが、この連絡通路から下をのぞくと足がすくむ。
なにせ、端と端だけがそれぞれのビルに接合しているだけで、途中は完全に宙に浮いた状態である。
震度6か7くらいの大きな地震が起きた時、この連絡通路を渡っていたら‥。
設計上はたぶん首都直下型地震にも耐えられるように作られているのだろうが、通路ごと落下しそうな気がしてならない。
そんなことを考えているうちに、わらわらと通行人が現れてきて、シュールな不思議空間は消滅して、日常空間に戻った。
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