失業率は悪化して失業者が減少とは??
今日の夕刊各紙に、総務省が発表した10月の就業者と失業者の統計が載っている。
ところが僕は、何度読み返しても、どういうことなのか飲み込めない。
完全失業率は前月より0.3ポイント高くなって4.5%に悪化している。
なのに完全失業者数は、304万人で前年同月比7万人減と29カ月連続の減少という。
さらに、就業者数は前年同月比57万人増の6409万人と6カ月連続で増加。このうち自営業者らを除く雇用者は前年同月比95万人増の5457万人と過去最高、というのだ。
この記事では、どこがポイントなのだろうか。
ある新聞は「就業者57万人増」を見出しにしており、別な新聞は「失業率4.5%に悪化」を見出しにしている。
読む側の印象はまったく正反対になる。
そもそも、これは統計のトリックではないのか。
完全失業率が悪化しているのに、完全失業者数が減少しているとは、失業者だけに絞っても、良い方に向かっているのか悪い方に向かっているのか、判断がつかない。
よくよく見てみると、トリックの一端が見えている。
失業率は前月比なのに、失業者、就業者、雇用者は前年同月比なのだ。
統計対象となる時期が異なるデータを、ごちゃまぜにして発表していいものだろうか。
総務省はこれらの数字から、「雇用情勢は引き続き回復基調にある」としている。
これについて、疑問をさしはさむ記事が見られないのは、新聞もトリックにはまっているのか、それともトリックづくりの共犯者となっているのか。
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コメント
完全失業者の定義もあやしいですね。同じ主婦でも、子育てが一段落したので仕事をしてみようかと職探しを始めると、その時点から統計上は失業者の中に入れられてしまうなど。言葉の定義と、統計のとりかたしだいで、導き出される結論はいかようにも変わりうるような気がします。
投稿: BANYUU | 2005/11/30 15:33
私は、完全失業率と言う言葉自体あやしいと思います。
投稿: poko_hide | 2005/11/30 11:23