高橋尚子選手の復活Vは、勇気と希望がわく
毎年、銀杏の葉が黄色く色づくこの季節になると、東京国際女子マラソンのことを思い出す。
僕のかつての職場は、この日になると部員総出で、裏方の手伝いにあたるのだ。主な仕事は、沿道で応援する人たちに小旗を配ったり、出場選手の一覧が書かれたチラシを渡したりする。
さらに先頭集団と中継車が通過する時刻に合わせ、沿道に大きな社旗を掲げて、テレビに社旗がよく映るようにする。もっともこの社旗は、おおっぴらに広げると陸連の人たちから注意されるので、あくまでゲリラ的に目にも止まらぬ早業でやる。
選手たちが目の前を通過していくときは、どの国の誰であろうと、声がかれるほどの大声援を送るのも、僕たちの職場の仕事の一つだった。
今日、テレビで東京国際女子マラソンを見ながら、かつての職場の人たちは、やはり同じように裏方の仕事で沿道に出ているのだろうか、などと思ったりした。
それにしても、今日の高橋尚子選手の復活Vほど感動的だったマラソンはない。(写真はテレビ朝日の画面から)
シドニーの金メダリストでありながら、アテネの出場を逃してしまった屈辱。小出監督からの独立。
そして出場直前にファンを心配させた右足の痛み。
本人が「時間が止まった」というこの2年間の辛さと苦しさは、想像を絶するものがあっただろう。
そうしたことをすべて乗り越えて、今日、36キロ地点からの驚異的なスパートで、あれよあれよという間に2、3位を引き離し、見事に復活の優勝を遂げたことは、どれほど多くの日本人に勇気を希望を与えてくれたか計り知れないものがある。
Qちゃんがサングラスで走るのは、沿道で声をかけてくれる人の顔がよく見えると、だれにでも笑顔を返したくなるためなのだという。
ゴールインの後のインタビューでも、自分を支えてくれた大勢の人たちへの感謝の言葉を語る様子が、謙虚でとても好感を持てた。
国立競技場には、かつての恩師だった小出監督の姿も。陰でそっとQちゃんを応援する姿は、鉄腕アトムの活躍を陰で見守るアトム生みの親の天馬博士のような感じだ。
3年後の北京五輪。33歳のQちゃんにとっては、最後の五輪のチャンスかも知れない。北京で快走するQちゃんの姿を見たいと願うのはファンに共通する思いだろう。
人間的にも大きく成長し、スマイルの輝きが一段と美しくなった女ざかりのQちゃん。これからのさらなる活躍をおおいに期待したい。
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コメント
ahahaさん、こんにちは。3人の先頭集団から抜け出してからのQちゃんの走りは、どんなドラマよりも感動的でしたね。ゴール後のインタビューでの言葉が、今朝の朝日「天声人語」で取り上げられていますが、レース直後にこれだけの内容を話せる人は、ほかにいないと思います。
投稿: BANYUU | 2005/11/22 10:40
こんばんは。
トラックバックとコメントをいただきましたのに、ご返事がたいそう遅くなってすみませんm(_ _)m
ものすごいリベンジを見せてもらった・・・と、ただただ言葉もなく感動していました。
すごい人だなぁ、と思います。
投稿: ahaha | 2005/11/22 02:29