未明に近所で3棟が燃える火事
まだ外も暗い朝の5時すぎ、やけに表の通りで人の声がするので目がさめた。
何か夜間の工事で、クレーン車のようなものを移動させているのだろう、と思いながらカーテンを開けてみて驚いた。
僕の家のすぐ向かいの、店舗や住宅の一角が炎上している最中で、表の通りは赤いランプを点滅させている消防自動車で溢れかえり、完全な通行止めになっている。
あちこちからホースによる放水が行われていて、2、3箇所の屋根から炎が上がっている。
ねぼけまなこで眺めていると、現実離れした夢のシーンのような錯覚に陥る。
不思議でならないのは、こんな近所で火災が発生して消防車が集結しているのに、僕にはサイレンの音が全く聞こえなかったことだ。
僕は睡眠中でも、ちょっとした地震や、表通りを通るサイレンの音には敏感で、すぐに目を覚ましてしまうタチだ。
なぜ今回は、サイレンの音に気づかなかったのだろう。
消防自動車がサイレンの音量を控えめにして現場に集まることなどあるのだろうか。
それとも、僕が深い眠りの世界をさまよっていて、ガンガンと鳴るサイレンの音すら耳に入らなかったのか。
この調子では、戦争が勃発して住民全員が避難しても、僕だけは朝まで知らずに寝ているような気がする。
朝になってから現場に行ってみると、アパートなどは全焼して無残な姿となっており、類焼した布団屋さんの1階店舗に積んであった商品は、ビニールシートで覆ってある。
布団や寝具などは、大量の放水を浴びてほとんど売り物にならなくなったのではないだろうか。
空気が乾燥するこれからの季節、火事は怖い。火の元にはおたがいに、くれぐれも用心したいものだ。
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