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2005/12/25

バブルに潤う裕福層と、働いても苦しい貧困層と

寒風吹きすさぶ師走。日本の社会は、豊かになっているのか、貧しくなっているのか。

いまは景気拡大の最中にあるのか、それとも経済が低迷を続けたままなのか。

実は、日本の社会の現状をどう見るかは、格差の広がりで亀裂が深まる日本社会をどちらの側に立って見つめるかで、正反対のとらえ方となるのだ。

今朝の日経新聞の1面トップには、「街角景気 活気づく消費」として、「ボーナスの増加で家計の懐に余裕」「バブル期をほうふつとさせる光景」などと、信じられないようなデータが並んでいる。

25万円のCD全集に100件の予約が入り、1人3万円前後のフランス料理店の客の中心はいまや30歳代。ホテルでは1本27万円のワインをルームサービスで注文する客も、等々。

家計の株式保有残高はこの1年で30兆円増えた、という数字もあり、「若いネット投資家が潤っている」という見方も載っている。

このように薔薇色に輝く裕福層の勢いが記事になる一方で、同じ日の朝日朝刊には、経済評論家の内藤克人氏がもう一つの厳しい日本の現実について書いている。

それによると、フルタイムの賃金が生活保護水準に届かず、生存の基盤すら確保できない貧困層がいま、日本社会に固定化されつつある、というのだ。

内藤氏は、こうした年収300万円以下の「働く貧困層」が急増し、年収200万円を割る人も少なくない、としている。

こうした深刻な事態は、小泉内閣の「構造改革」が生みつづけている新しい構造問題であり、コスト競争を重視する市場至上主義の帰結だ、というのだ。

僕が周りを見渡す限り、日経に書かれているようなバブル期並みに潤う裕福層の姿は見えてこない。

それどころか、1個10円のじゃがいもを大切に買い求めていく、つつましい人々の群れこそが、日本の大多数の現実なのだ。

小泉首相が常々言う「努力したものが報われる社会」とは、ヒルズ族に象徴されるように、生き馬の目を抜く競争を勝ち抜くことが出来た一握りの幸運者たちが報われる社会でしかないことが、ようやくはっきりしてきたのではないだろうか。

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コメント

直接的な情報操作もあるかも知れませんが、間接的に情報を誘導していくようなことは、日常茶飯事のような気がします。
とくに郵政解散・総選挙での小泉圧勝で、全国紙はすっかり腰が引けてしまい、「社会の木鐸」はもはや死語となってしまった感があります。新聞もいまや市場主義と競争原理の中で、きれい事ばかり言っていられないのでしょう。

投稿: BANYUU | 2005/12/26 13:31

新聞などでは、政府が、あまり良くない事を
書かないようにと情報を操作しているとか。。。
まあ、うわさですけど。

新聞が、実際の現状を書いたなら、世の中
くらーくなるので、各社もなるべく明るい話題を
取り上げるようにしているのでは?
まあ、時には、びしっと事実を書き込んでいる
のですが、そのような記事が1面TOPに来るような
事もないのが現状です。。
なので、いつも、TV・新聞では、「どこがやねん」
っとツッコミを入れてしまいます。

投稿: poko_hide | 2005/12/26 12:05

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