骨董品並みのワープロがまだ作動する
ワープロを使わなくなったのはいつころからだろうか。
僕の場合は、96年暮れに初めてウィンドウズのパソコンを買ってインターネットを始めたのだが、その段階ではまだシャープのワープロ専用機も日常的に使っていた。
パソコンにバンドルされているワープロソフトは、ワープロ専用機に比べてはるかに使いにくく、ちょっとした文書を作る時はいつもワープロに頼っていた。
ワープロ専用機を使わなくなったのは、それで作成した文書をメールに添付して送るのが難しく、やってやれないことはないがとても手間がかかる、というような理由だったかも知れない。
いつしか、簡単な文章ならばウィンドウズのメモ帳かワードパットで済ませるようになり、やがて複雑な設定は出来ないがワードでもちょっとした文章が作れるようになると、そのままワープロ離れへとつながっていった。
ワープロ専用機用の数10枚のフロッピーには、以前に作成したさまざまな文書が入っているが、もはや使う必要のないものがほとんどで、かといって捨てるのも躊躇されて、そのままホコリをかぶったままになっていた。
先日、ワープロ専用機で昔作った罫線付きの文書を取り出す必要があって、何年ぶりかで専用機をひっぱり出してきて電源を入れてみた。
いきなりエラーメッセージが現れる。本体のメモリー用のバッテリーが切れているので電池を交換するように、というのだ。
バッテリーを交換して、初期画面が出るようになったが、説明書が見当らず操作方法がなかなか思い出せない。
あれこれキーを押したりしているうちに、2DDのフロッピーから目的の文書を呼び出すことは出来たが、この文書をパソコンで使えるようにするにはどうすればいいのか。
思い出しながらの操作で、これはテキスト変換でMS-DOSフロッピーに入れればいいことが分かる。
MS-DOSなんて懐かしい響きだが、うちにそんなフロッピーはあっただろうか、とフロッピーケースをあさってみる。
FORMATTED for IBMと書かれている2HDの新しいフロッピーがMS-DOSかも知れない、と思う。
これを使って、ワープロ用のフロッピーから文書を変換して入れ、こんどはパソコンのフロッピードライブに入れてみる。
罫線は見事にバラバラに分解しているが、テキスト部分は崩れることなく、ちゃんと入っている。
というわけで、骨董品並みのシャープのワープロ専用機は、まだ作動することが確認できた。
しかし、今後使うとしても、今回のように昔作った文書をパソコン用に変換する時くらいしか、専用機を使うこともないだろうと思う。
久々にワープロ専用機をいじってみて、画面がカラーではなくモノクロだったのは隔世の感があった。
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