今の好景気は、戦後最長の「いざなぎ景気」超す!?
どう考えても、理解出来ないことがある。
それは、今の日本は2002年1月からずっと景気上昇局面が続いていて、この4月には戦後2番目の「バブル景気」に追いつき、10月には戦後最長の「いざなぎ景気」を抜いて、最長記録を更新しそうだ、というのである。
そもそも、いまが景気拡大局面にあって、好景気が続いているというのは、いったいどこの世界の話なのか。
日本はデフレに苦しんでいて、その脱却の糸口すら見えていないのではなかったか。
経済の停滞が続いているために、景気回復のためという錦の御旗の下、国民は空前の超低金利をじっと我慢し続けているのではなかったか。
国と地方を合わせて1000兆円を超す借金をかかえて、もはや消費税を10%程度に上げなければ、日本の財政が破綻して借金を返せなくなるところまで追い詰められているのではなかったか。
深刻な財政危機のため、今年から国民すべてがさまざまな増税や社会保険料の大幅増額を我慢しなければならないのではなかったか。
働いても働いても生活が苦しい若い人たちが、なかなか結婚に踏み切れず、結婚しても2人以上の子どもを作れず、少子化社会が進行しているのではなかったか。
こうした社会的な危機を背景に、政府の見通しよりも2年も早く、去年から日本が人口減少社会に突入したのではなかったか。
正社員が減って派遣社員が増え、若い人たちのフリーターやニートが急増して、所得の少ない層が拡大しているのではなかったか。
生活保護世帯が増大する一方で、個人破産も戦後最高となっているのではなかったか。
マスコミが、こうした社会の姿をきちんと伝えていないことも大きい。
華々しくニュースになるのは、ヒルズ族であり、セレブな女性たちであり、ロハスなライフスタイルであり、高級品が飛ぶように売れる一部の階層の話ばかりだ。
企業の収益だけに目を向けて大多数の消費者を置き去りにし、国民の間の格差拡大を放置したままの「好景気」は、何をもたらすか。
それは持たざる国民の間にたまり続けるドロドロとした鬱憤のマグマであり、小泉首相はその矛先を公務員と郵政反対派に向けることに成功した。
マグマはさらにたまり続けている。
政府指導層が、いまマグマの矛先として意図的に設定しているのは、中国、韓国、北朝鮮だ。
この構図は、いつか来た道そのものではないだろうか。
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コメント
お金はあるところにはありすぎるほどある、ということではないでしょうか。メディアはヒルズ族をもてはやし、努力すれば誰でもこういう世界に登りあがることが出来るのだとして、競争社会を煽っているような気がします。
貧困層に組み込まれようとしている多くの若い人たちが、格差社会を容認しているというのも、メディアと教育による感化が大きいと思います。
投稿: BANYUU | 2006/01/13 18:06
私も、最近の世の中が理解できません。
なぜ、ヒルズ族というのが出来たのでしょうか?
そんなに、お金集まってくるのでしょうか?
今の世間の人は、そんなにメディアに左右されやすく
なったのでしょうか?
確かに、自分が欲しいものが、メディアに流れていると
欲しくなりますが、メディアで流行っているからといって
即買いをしないほうです。(たまにしますが)
やはり、一度自分に必要な物か?と考えるように
なりました。
やっぱり、教育というものが関係してくるんですかね。
投稿: poko_hide | 2006/01/13 15:50