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2006/02/10

寿命が尽きた洗濯機の、最後の奇跡

06-02-10_15-2415年前に購入した洗濯機が、昨日、スイッチを入れても動かなくなった。

水道のホースを調整したり、スイッチをいろいろと操作してみたりしても、全く何の反応もない。

何か接触が悪いのかも知れないと思い、ガタガタと揺らしてみたり、たたいてみたりしたのだが、もはやウンともスンとも動かない。

この洗濯機は4年ほど前に、やはりこのような状態で動かなくなり、その時点で購入から11年経っていたため、買い替えを決意したことがある。

しかし、量販店に行って次の機種を決めて、明日には購入しようと思っていた矢先に、洗濯機は突如として息を吹き返し、その後は何事もなかったかのように、昨日まで動き続けてきた。

そういう経緯もあって、今回もまた動き出すのではないか、という微かな期待があったのだが、なにしろ購入から15年も経っているのだ。

メーカーによる修理部品の保存期間は生産終了から6年となっており、家電製品の寿命は長くても10年といわれているので、これが限界であろう。

僕は昨日、家電量販店に行って、新しい洗濯機を決めて即購入した。乾燥機は数年前に買ったものが順調に作動しているので、洗濯と簡易乾燥のみのシンプルなタイプで39800円。

配送と据付は、最も早くて3日後の日曜日になるという。

さて、新しい洗濯機が来るまでの3日間、洗濯をどうするかという問題が生じる。

コインランドリーに行けばいいのだが、この寒さの中はそれもおっくうだ。

僕は、もはや寿命が尽きた洗濯機のスイッチを空しくオンにして、心の中で洗濯機に話かけてみた。

「なんとか、あと3日間だけでいいから、動いてくれ」

すると、洗濯機が応えたような気がした。「本当に3日間だけでいいのか。動いたらまた延々と使うつもりなのだろう」

僕は洗濯機に言う。「次の洗濯機はもう買ったので、3日間だけでいい。約束する」

洗濯機が、「よし、分かった」と言ったような気がした。

そのとたん、あれほど頑として動かなかった洗濯機から、うそのように洗濯開始の水が曹内に流れ始めたのである。

僕は信じられない思いで、その水流を見つめた。これは洗濯機が最後の力を振り絞って、僕の願いを聞いてくれたに違いない。

そして、この奇跡が消滅しないうちに、あわてて洗濯物と洗剤を入れ、無事に洗濯は終了した。

今日再び動くのかどうかは分からない。もしかするとまた当分の間は動くのかも知れない。

そうなれば、新しい洗濯機をキャンセルするという手もないわけではない。

しかし僕は、3日間だけ、と洗濯機に約束して動いてもらったのだ。

僕は、洗濯機との約束を破るわけにはいかない。

(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「ネットにおける燃え尽き症候群にならないためには」をアップロード)

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