春は名のみの寒さ、都庁わきの池にも氷張る
立春寒波の襲来で、今日も凍てつくような寒さが続く。
西新宿の都庁わきに作られている小さな人工池は、午後の日差しを浴びても氷が張ったままだ。
春は名のみ。
この時期にぴったりなのが、「早春賦」の歌だ。
♪ 春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
♪ 春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思を
いかにせよとの この頃か(吉丸一昌作詞 中田章作曲)
この歌を作曲した中田章さんは、日本のシューベルトといわれる中田喜直さんの父である。
中田喜直さんは、夏、秋、冬をテーマにした叙情歌の傑作で名高い。
「夏の思い出」「小さい秋見つけた」「雪の降る町を」である。
生前の中田喜直さんがテレビに出演した時に、司会のアナウンサーが「夏、秋、冬とあるのに、春は?」と尋ねたことがある。
その時、喜直さんははにかんで「春は、私の父が早春賦を作っておりますので、まあ父に遠慮したようなしだいです」と応えていた。
本物の春は、今月19日の雨水、3月6日の啓蟄を経て、やはりお彼岸になるまでは、おあずけなのかも知れない。
あと1カ月半の辛抱である。
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