未来アートあふれる文化庁メディア芸術祭
東京都写真美術館で開かれている文化庁メディア芸術祭に行ってきた。
ここ2年ほど行ってなかったので、久々にメディアアートの中にどっぷりと浸ってきた。
僕は去年の横浜トリエンナーレは、NHKの新日曜美術館を見ただけで行ってないが、時代の先端をいくアートという意味では、このメディア芸術祭の方が質量ともに最高水準ではないだろうか。
まばゆいほどの数々の作品の中で、今回、僕が最も面白いと思ったのは、アート部門の推薦作品となった東工大ロボット技術研究会の「バーチャル・ブラウニー」という作品だ。
テーブルの上に、一辺が10センチほどの立方体の形をした黒い箱が置いてあり、手前のモニター画面にはその箱が映し出されている。
モニター画面のほうには、3人のコビトたち(ブラウニーとあるので妖精であろう)が箱の周りを動き回っていて、力をあわせて黒い箱を動かそうとしている。
テーブル上の箱の周りには、コビトたちはいない。あくまで、モニター画面の中だけに見えるバーチャルなコビトたちなのだ。
ところが、モニター画面の中で、コビトたちが箱を押していくと、なんと不思議なことにテーブルに置かれた箱が実際に動いていくではないか!?
テーブルの上の箱は、見ている客が手でさわって勝手に動かすことが出来る。僕が箱を動かせば、僕の手もモニター画面に映る。
人間が箱を動かした時の、モニター画面の中のコビトたちの動きが傑作だ。
驚いて箱の周りから飛びのいたりして、大騒ぎをしている。
やがて、コビトたちはまた3人で箱を押していって、実際の箱もテーブルの上を動いていく。
あたかも見えないコビトたちが動かしているかのごとく。
ほかにも、テクノロジーとアートが融合した不思議で楽しい世界がいっぱいで、1日かかっても全部は見切れないくらいだ。
映像では、子どもたちが、とうていありえないようなマスゲームを繰り広げながら行進を続ける「OH HISSE」というCG映像が面白かった。
今年の文化庁メディア芸術祭は5日まで。入場無料。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「いくら探しても探しても、見つからない探し物」をアップロード)
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