20年に渡るパソコン通信に今日限りで幕
3月とともに、さまざまなものが終わっていく。
今日31日は、旧年度の最後の日であり、ある意味では大晦日と並ぶ区切りの日であるといえよう。
「表」の「時間の岸辺」にも書いたのだが、今日の午後11時59分59秒をもって、日本で唯一、サービスを続けていたニフティのパソコン通信が終了し、19年間続いたパソ通の灯が消える。
僕の場合は、ニフティが商用のパソコン通信サービスを始める1年前に、ASAHIネットの前身の社内実験ネットに手をつけていて、それから数えると20年間のパソ通の歴史が幕を下ろすことになる。
パソコン通信とは何だったのか。それは決して、インターネットにいたるまでの代役ではなく、わずか20年ではあったが、独自のカルチャーとコミュニケーションを形勢した稀有のメディアだったのではないか。
通信機能付きのワープロによって、さまざまな会議室に不特定多数の人たちがメッセージやレスを書き込んでいくパソコン通信は、マココミでもミニコミでもない新鮮なメディアとして、当時の多くの人々をひきつけた。
パソコン通信は、モノクロのテキストだけのやり取りで、画像も音もなかったが、それでも十分に書き込みの応酬は白熱し、狂乱怒涛のワールドが繰り広げられることもしばしばだった。
歳月は移り、いまやインターネットもweb2.0のステージに入り、ホームページからブログやSNSの時代、さらにはパソコンからケータイがユビキタスの前面に踊り出ようとしている時代となった。
明日からケータイでのワンセグが始まるのと入れ替わりに、パソ通が姿を消すのも、時代の必然的な流れなのかも知れない。
さよならパソコン通信。
ありがとうパソコン通信。
惜別と感謝を込めて‥‥
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「ニフティのパソコン通信が今日で終了」をアップロード)
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コメント
私もパソコン通信時代かのニフティ付き合いです。
少なくとも15年以上は、付き合っています。
最近では、インターネットばかりで、パソコン通信
をしていませんでしたが、やはり、無くなると言うのを
聞くとなにか、寂しい物です。
何時の時代かは、パソコン通信が死語になったり
するんでしょうね。
そういえば、パソコン通信で、大変役になったのが、
阪神大震災のときでした。
電話回線が生きていれば、ニフティの掲示板に
安否情報を買い込み、みんなで、共有したものです。
ボランティアの人たちも、その情報を元に、
活動したと聞きます。
パソコ通信時代には、初心者には大変やさしかった
と思います。今のインターネット時代に無いやさしさ
があったと思います。
本当にありがとうって、気持ちですね。
投稿: poko_hide | 2006/04/01 11:47
poko_hideさん、こんにちは。
パソコン通信は、みんなが好きな時に来てワイワイとおしゃべりに花を咲かせる広場のようなものでしたね。その原型は、昭和30年代くらいまで都会でもあちこちにあった原っぱのようなものではないか、と僕は思っています。
それがインターネット時代になると、ホームページもブログも、管理人個人が前面に出てきて、パソ通にあったような原っぱとしての共通性・共有制がなくなってきたように感じます。
もちろん、各種の掲示板やBBSはあるし、2ちゃんねるのように共通の広場を作ることは出来るのですが、なんとなくよそよそしかったり、とげとげしかったりして、入りづらい空気があります。
パソ通には、モノクロのテキストだけでつながっているという素朴で暖かいものがありました。喧嘩や罵倒もしょっちゅうありましたが、今となってみればガキ大将をめぐる原っぱでの喧嘩のようで、懐かしい限りです。
投稿: BANYUU | 2006/04/01 16:55