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2006/04/08

世論調査の電話がかかってきて

出かけようとしていたところへ、電話がかかってきた。

女性の声で「こちら○○○○ですが、緊急世論調査でお電話しております」という。

○○○○というのは報道機関の名前だが、担当者は名前を言わない。

何についての世論調査でしょうか、と尋ねると、民主党の新代表についてです、という。

僕が答えればいいのかと思って、「ではどうぞ」と言う。

すると相手は、「あなたの家には、大人の方が何人おられますか」と、意外なことを尋ねてくる。

名前も言わない相手に、そのような個人情報を出していいのだろうか、と不安が頭をかすめる。

もしかして、世論調査の名目で、こちらの家族構成などのデータを聞き出そうとしているのかも知れぬ、と疑念が生じる。

女性の一人暮らしだったりした場合は、この質問に正直に回答することは、防犯上からも危険ではないか、と思う。

そこで僕は、○人です、とウソの人数を言う。

すると相手はすかさず、「その○人の中で、一番年齢が下の方を調査対象とさせていただきたいのですが、その方は男の方でしょうか、女の方でしょうか」と聞いてくる。

これは、いよいよあやしい、と僕は思う。

僕は、そのような個人情報については、お答えいたしかねます、と言う。

「では、その方はご在宅でしょうか」と相手は聞いてくる。

外出しています、と僕は言う。

「何時ごろにお帰りになりますか」と相手はたたみかけてくる。

僕はいよいよ警戒を強め、「さあ、何時ごろになるか分かりません」と、そっけなく答える。

「この調査は午後2時すぎまで行なっておりますので、では改めて電話させていただきます」と相手。

僕は、「2時までには帰らないと思いますが‥」という。

「では結構です。ありがとうございました」と相手は電話を切った。

いったい何だったのか。この電話は。

報道機関の名前を出しさえすれば、誰でもペラペラと家族構成でも何でも話すだろう、と思っているのだろうか。

かつては僕も世論調査にかかわったことが何度かあるが、面接して直接聞くことが鉄則だった。

調査員は、氏名が明記されていて社印が押された調査員証を携え、最初に相手に示すことが最小限のマナーだった。

いまは、電話による世論調査が主流のようだが、調査員が自分の名前も名乗らず、のっけからこちらの家族構成を聞き出すようなやり方では、たとえ本物の世論調査だったとしても、スムーズに回答を得られるはずがない。

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