今日は菖蒲湯、うっかり忘れるところだった
街を歩いていたら、小さな花屋の店先に菖蒲湯用の菖蒲の葉を売っていた。
そうだ、今日5月5日は、菖蒲湯の日なのだ。
僕は子どものころに銭湯に行っていたころから、冬至の日は柚子湯、そして端午の節句は菖蒲湯の日だった。
もっとも僕の地方では、端午の節句は月遅れで6月5日であることが普通だったけれど。
その記憶は僕が大人になってからも引き継がれ、僕はいつも冬至の柚子湯と、こどもの日の菖蒲湯は欠かしたことがない。
今日は、なぜか菖蒲湯の日であることをうっかり忘れそうになっていて、街の花屋の店先を見て初めて気がついた。
毎年、菖蒲の葉は、近所のいろいろなところで売っているので、帰りがけに買えばいいと思った。
ところが電車を降りて、家の近くで菖蒲を買おうとしたら、どういうわけか置いてない。
しまった、さっきの店で買っておくべきだった、と後悔したが、どうにもならない。
僕はあっさりと観念して、再び電車に乗って、菖蒲の葉を買うためだけに、わざわざ街へ出かけ直した。
駅に近いフローリストで263円。
菖蒲湯につかってはじめて夏を迎えることが出来る。
そして、12月の柚子湯の日まで健康で過ごせることが出来る。
柚子湯につかると、冬がやってくる。
つぎの菖蒲湯の日まで健康に過ごすことが出来る。
僕にとって1年とは、毎年1度ずつの菖蒲湯と柚子湯の繰り返しなのである。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「言葉が細かいパーツを順序に従って並べる不思議」をアップロード)
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